2001 Fiscal Year Annual Research Report
準3次元海浜流モデルを用いた構造物周辺の3次元海浜変形予測に関する研究
Project/Area Number |
12750464
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
黒岩 正光 鳥取大学, 工学部, 助手 (10225279)
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Keywords | 海浜変形 / 漂砂 / 浮遊漂砂 / 移流拡散方程式 / 海浜流 |
Research Abstract |
本年度は,非平衡性を考慮した3次元海浜変形モデルを構築し,その適用性を検討した。本モデルは4つのサブモデル(波浪場,海浜流場,浮遊砂濃度計算および海底地形変化計算)から構成されている。波浪場は非定常緩勾配方程式,海浜流場は研究代表者が提案した準3次元モデルを用いて算定した。浮遊砂濃度は昨年度提案した鉛直2次元の移流拡散方程式を3次元に拡張し,任意海底地形にも適用できるようにσ座標変換を施し有限差分法を用いて算定した。海底地形変化は波と流れによる掃流砂も含めて計算した。 まず,モデルの特性,底質の巻上げ率等を検討するため,平行等深線を有する海底地形上の構造物周辺の海底地形変化計算を行った。比較のため,既往の3次元モデルも用いて計算した。その結果,浮遊砂濃度に関する移流拡散方程式を用いることによって,浮遊砂の砂粒子の巻上げ,移流沈降過程を考慮することができ,従来の平衡型(局所漂砂量型)モデルの計算結果と比較して,浮遊砂の移流効果が海底地形変化に多大な影響を及ぼすことが明らかとなった。 つぎに,現地における漁港埋没予測に対するモデルの適用性を検討した。実際に,航路埋没で問題となっている鳥取県東部に位置する長和瀬漁港を対象とした。まず,モデルの適用性を検討するため,現況における埋没状況の再現を試みた。詳細な現地データとの比較は出来なかったが,港口部における堆砂が計算され,実際の現象と類似した結果が得られた。 今回,実験および観測結果との比較検討ができなかったが、本研究で構築した海浜変形モデルは航路埋没などの非平衡性の強い現象を把握するのに有効なモデルであると考えられる。今後,多くの実測値と比較し,漂砂量係数の与え方などを検討する必要がある。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 黒岩正光, 犬飼拓志, 松原雄平, 野田英明: "1方程式乱流モデルを用いた砕波帯内の鉛直循環流場の数値シミュレーション"海洋開発論文集. 第17巻. 38-83 (2001)
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[Publications] 黒岩正光, 犬飼拓志, 松原雄平, 野田英明: "1方程式乱流モデルを用いた準3次元海浜流場の数値シミュレーション"海岸工学論文集. 第48巻. 126-130 (2001)
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[Publications] 黒岩正光, 犬飼拓志, 松原雄平, 野田英明: "A Quasi-3D turbulent model of nearshore currents"Proceedings of the first Asian and Pacific Coastal Engineering Conference. 1. 196-205 (2001)
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[Publications] 黒岩正光, 野田英明, 孫彰培: "Wave transformation and quasi-3D nearhsore current model over barred beach"Proceedings of 4th International simposium WAVES2001. (印刷中). (2002)