2000 Fiscal Year Annual Research Report
省エネルギー型高速嫌気性生物反応槽を用いた新規下水高度処理システムの開発
Project/Area Number |
12750503
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Research Institution | Kochi National College of Technology |
Principal Investigator |
山崎 慎一 高知工業高等専門学校, 建設システム工学科, 助手 (60290821)
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Keywords | 嫌気性生物処理 / 下水処理 / 高度処理 / 窒素 / りん / UASB反応槽 / 接触酸化槽 |
Research Abstract |
高速嫌気性反応槽と好気処理槽を組み合わせた下水処理システムは、これまでの標準活性汚泥法と比較して、処理の高速化、稼働エネルギーの省力化、廃棄汚泥の減量化、窒素およびリンの除去が期待できる。そこで本研究では、平成12年度において、人工都市下水を使用して、高速嫌気性反応槽の一つであるUASB反応槽と接触酸化槽を組み合わせた室内実験装置によって連続処理を行い、高速処理特性の評価と高度処理(窒素除去)性能の評価を行った。 本研究で使用した室内実験装置において、UASB反応槽は、有効容量を7lとし、長時間煮豆工場廃水で馴致されたグラニュール汚泥を植種した。後段の接触酸化槽は、有効容量を71とし、槽内部には生物付着担体を充填した。原水は、人工都市下水を想定して、200mg/lのショ糖、100mg/lのポリペプトン、100mg/lのNH4Clを使用し、CODcr300mg/l、T-N30mg/lに調整した。実験は、まず、水理学的滞留時間(以下HRTと称す)を16hから2.4hまで段階的に減少させて高速処理性能を評価した。その結果、HRT3hの高速条件下において、原水CODcr200〜300mg/lに対して、好気処理水CODcrは20mg/l以下(CODcr除去率90%以上)の安定した水質を確認することができた。その後、HRT4.5hの一定条件において、好気処理水の一部をUASB反応槽流入部へ循環させ、窒素の除去性能を評価した結果、原水量と循環量の流量比1:2の場合、処理温度13〜15℃において、CODcr除去率90%以上、T-N除去率41.8%の除去性能を確認した。平成13年度においては、本システムの窒素除去性能を、微小電極を使用した生態学的な解析も加えてさらに詳細に検討を進める予定である。
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