2001 Fiscal Year Annual Research Report
高強度化セメント硬化充填材を使用したリサイクル指向コンクリートの実用化研究
Project/Area Number |
12750518
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
田村 雅紀 東京都立大学, 大学院・工学研究科, 助手 (80315754)
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Keywords | コンクリート / リサイクル / 再生骨材 / 微粉末 / セメント系微粉末 / 改質処理 / 細骨材代替 / セメント代替 |
Research Abstract |
本研究は、建築構造用コンクリートに使用する高品質再生骨材を製造する過程で発生するセメント系微粉末に対し、適切な改質処理を施し、水和性の回復を図ることで、水硬性を有する新しい建築材料としての実用化を目的とした。 なお当該年度の研究計画は、前年度研究計画における(1)高強度化セメント硬化充填材の開発および、(2)高強度化セメント硬化充填材を用いたモルタルの諸物性の確認(前半)に続いて、(3)各種廃棄微粉末を使用した高強度化セメント硬化充填材を用いたモルタルの諸物性の確認(後半)を実施することである。 次に具体的な研究成果の概要を示す。砕砂及び廃ガラス人工軽量骨材成分が混入したコンクリート系微粉を用いて、結合材型、セラミック型という2つの方法で供試体を作製し、骨材種とその混入量、加熱温度、粒度及び成分調整の有無等を実験要因として水和後の強度発現への影響を検討した。その結果、骨材成分が混入したセメント系微粉を製造し、加熱処理によりセメントの水和性回復作用およびガラス質骨材成分の焼結作用を発現させることで、強度発現性が回復し、新たな結合材としての利用可能になることを示した。以下に結果の一部を具体的に示す。 1.高品質再生骨材製造時に発生するセメント系微粉末は、骨材混入量が体積比で30%程度であれば、700℃前後の加熱により、普通ポルトランドセメントとほぼ同程度の強度発現性を確保することができる。 2.セメント系微粉末の粒度が細かいほど結合材として使用する際の強度発現性は大きくなるが、加熱による改質処理により流動性が低下し、反応状態に関しても、瞬結・偽凝結を起こす場合がある。 3.軽量骨材コンクリートの場合、軽量骨材中のガラス成分含有率により焼結効果によるセラミック型の強度発現効果が期待できる。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 田村雅紀, 橘高義典, 小林賢: "廃ガラス人工軽量骨材を用いたコンクリートの再生利用に関する研究"第54回セメント技術大会講演集. No.54. 354-355 (2001)
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[Publications] 小林賢, 田村雅紀, 橘高義典: "廃ガラス人工軽量骨材を用いたコンクリートの再生利用に関する研究"日本建築学会学術講演梗概集. A-1. 677-678 (2001)
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[Publications] Masaki TAMURA, Takafumi NOGUCHI, Fuminori TOMOSAWA: "Development of Recyclable Concrete as an Aid to Resource Conservation"Memoirs of Graduate School of Engineering Tokyo Metropolitan University. No.50. 181-188 (2001)
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[Publications] Takafumi NOGUCHI, Masaki TAMURA: "Concrete Design toward Complete Recycling"Structural Concrete, Journal of the fib. Volume 2 Number 3. 155-167 (2001)
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[Publications] 田村雅紀, 野口貴文: "特集:再生・リサイクル-循環型社会をめざして完全リサイクルを実証するコンクリートデザイン"建築と社会、日本建築協会. No.959. 22-27 (2002)