2000 Fiscal Year Annual Research Report
大空間の自然換気問題へ適用する自然対流模型実験の近似相似則に関する研究
Project/Area Number |
12750530
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
甲谷 寿史 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (20243173)
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Keywords | 自然対流 / 模型実験 / 相似則 / 置換換気 / 温度・濃度分布 |
Research Abstract |
大空間の換気方式として採用される、自然対流を利用した換気方式である置換換気を対象として、以下の検討を行った。 (置換換気:床面付近から低温・低速の給気、天井付近から排気を行い、室内の人体やOA機器などの発熱体によって生じる熱上昇流を利用して、室下方から上方への流れを生じさせ、下方の居住域の空気質を清浄に保ちながら、汚染質を上方に滞留させる、極めて換気効率の良い換気方式) 1.相似則の再整理 自然対流場の相似則に関して、文献調査に基づいた整理、特に壁面での移動熱量の相似に関する検討を行い、置換換気場で重要である天井面から床面への放射移動熱量に関する検討を行った。結果、「Gr数を一致」させる室内気流に対する厳密な相似条件下では、縮尺1/2程度の縮小模型で移動熱量を厳密に相似にすることが可能であることが示された。また、「Re数の一致」の条件を除外した、いわゆる近似相似条件下では、広範囲の縮小模型にわたって移動熱量の相似が可能であることが示された。 2.相似則の検討において比較対象となる、実物大置換換気場の温度・濃度分布の把握 縮小模型実験による相似則の検討に先立ち、その比較対象となる4×4×2.2(H)mの実物大実験室を用いて、室内温度・濃度測定を、発熱量、外壁面温度をパラメータとした実験により得た。 置換換気の成立条件は壁面の断熱性によって決定できると言う結果が得られ、また、完全断熱の条件における室内鉛直温度分布を、E.Mundtによる温度予測モデルを用いて予測し、実験結果との良い一致を見た。壁面の断熱性の低下に伴う下降流の発生による半混合状態の置換換気の鉛直温度分布に関しては、戸河里によるブロックモデルに発熱体によるプルームへの誘因気流分を組み込んだゾーンモデルによって予測を試みた結果、実務的に問題のない精度で予測することが出来た。
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[Publications] 東本丈明,山中俊夫,甲谷寿史,徐鳴: "置換換気時の室内温度・換気効率の予測に関する研究(その3)ブロックモデルを用いた置換換気室内の温度分布予測"平成12年度空気調和衛生工学会近畿支部学術研究発表会論文集. 121-124 (2001)