2000 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者施設における臭気の評価・管理手法に関する研究
Project/Area Number |
12750536
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Research Institution | Daido Institute of Technology |
Principal Investigator |
光田 恵 大同工業大学, 工学部, 講師 (40308812)
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Keywords | 臭気 / 高齢者施設 / 臭気成分濃度 / 不快感 / 許容レベル / 臭気濃度 |
Research Abstract |
高齢者施設内の臭気の測定について、施設内の居室および汚物処理室に、ニオイセンサー、温湿度計、二酸化炭素濃度計を設置し、連続モニターを行うことで1日の臭気の発生状況を把握した。また、テナックスTA、ユニカーボンB、カーボシーブSIIIの吸着剤を充填した吸着管を用いて室内の臭気をポンプで3時間程度吸引し、室内の低濃度臭気をサンプリングした。施設内の臭気は不快感があっても低濃度であることより、そのままでは測定不可能なため、サンプリング試料をもとに、約300倍〜500倍に濃縮した臭気試料を作成し、一旦臭気を濃縮することで三点比較式臭袋法を用いて臭気濃度を測定した。その結果、居室の臭気濃度は8〜20であることが明らかとなった。また、汚物処理室は常時臭気濃度20程度であり、不快感も高かった。臭気成分では、居室では、n-カプロン酸、ノネナールの濃度が高く、汚物処理室では酢酸、イソ吉草酸の濃度が高い他、インドールも検出された。 施設内の各場所における臭気の許容レベルの検討については、においは場所や感じる人の立場によって許容できるレベルも異なるが、一般に臭気の低減除去を行う時には、順応していない外来者を想定した評価を基準に行うため、外来者を想定して許容レベルを求めた。施設内の各場所でサンプリングした試料を濃縮し、そこから5段階程度に希釈した試料を作成し、施設内の各場所の許容レベルを検討した。その結果、居室では臭気濃度7程度、汚物処理室では臭気濃度5程度であることを確認した。 今後は、今年度の研究で得られた各場所の臭気レベル、許容レベルをもとに、具体的な対応策を検討していく予定である。
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