2001 Fiscal Year Annual Research Report
関節可動域制限下における移行動作と支持環境に関する研究
Project/Area Number |
12750560
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Research Institution | Bunka Women's University |
Principal Investigator |
渡邉 秀俊 文化女子大学, 造形学部, 助教授 (80230986)
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Keywords | 動作特性 / ADL / 関節可動域 |
Research Abstract |
本研究は、身体各部位の関節可動域を制限された人間が、日常生活動作を行う場面において、いかなる移行動作プロセスをとるのか、またその際にいかなる物的環境をどのように利用するのかという点について知覚実験および動作実験により明らかにすることを目的とした。初年度は、(1)動作の記述方法に関する文献整理、(2)筋電図による関節可動域の制限方法、(3)動作の記述法に関する予備実験を実施した。次年度にあたる本年は、(1)玄関、(2)浴槽、(3)洋式トイレの3つの空間部位おける計6つの動作場面について手すりを併用して実験した。 女子大学生6名を被験者として、実物大の実験装置で、「首関節」「右側の肘と膝関節」「左側の肘と膝関節」をウレタンマットで一時的に拘束し、一連の動作を分析した。手すりは動作開始時に身体の右側に位置するように統一した。結果の概要は次の通りである。 1)玄関での場面:「右側の膝と肘関節」を固定した場合は、「段差を昇る」動作以外の「段差を降りる」「腰を掛ける」「立ち上がる」動作において、左側の足に大きな負担がかかることが明らかとなった。 2)浴槽での場面:「浴槽をまたいで出入りする」動作、「浴槽内で立ち座りする」動作ともに、「右側の肘と膝関節」を拘束した場合に動作が困難であることが明らかになった。 3)洋式トイレでの場面:「首関節」を拘束した場合、「腰を降ろす」動作は可能であるが、足元が見えないことに対する不安感の訴えがみられた。この場合、手すりが不安を和らげる働きがあることが確認された。 4)各場面の比較:今回の条件では、浴槽内での立ち座り動作が一番困難な動作であることが明らかになった。
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