2000 Fiscal Year Annual Research Report
シングルペアレントの住要求からみるコミュニティ支援の今後の展開策
Project/Area Number |
12750567
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Research Institution | Tokuyama College of Technology |
Principal Investigator |
西村 伸子 徳山工業高等専門学校, 土木建築工学科, 助手 (90259937)
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Keywords | シングルペアレント / 母子世帯 / コミュニティ支援 / 母子寮 / 母子生活支援施設 / 住要求 |
Research Abstract |
本年度の研究として、(1)シングルペアレントの公的支援の現状の問題点を明らかとすることを目的とした調査、(2)子育て世帯の住環境把握を目的とした調査、(3)コミュニティ支援型住宅の居住実態に関する調査の3項目について行った。 (1)の調査として、京都府、山口県等6事例の母子生活支援センター(旧称母子寮)へのヒアリング調査と全国の291事例の母子生活支援センターへの郵送アンケート調査(有効回収数192)を行った。(2)では、子育てに関する住環境のうち近所づきあい、協力関係の程度等のコミュニティ面や居住形態のニーズに関して徳山市の子育て世帯を対象にアンケート調査(有効回答数104)を行った。(3)は、シングルペアレント層を対象とした建設例は国内にはまだないため高齢者を対象としたコレクティブ住宅をコミュニティ支援型住宅の先進事例と捉え、居住実態やコミュニティ形成についての調査を行った。 以上の調査の結果、本年度のまとめとして(1)母子世帯の代表的な受け皿である母子生活支援センターは4割近くが定員充足率75%を満たしておらず、施設の老朽化により住環境レベルが著しく低い。このため緊急保護、生活指導などの支援を必要とする層を中心とした利用へと変化しており、新たな住宅支援が求められる。(2)少子化を背景として子育て世帯は近隣コミュニティから孤立化している傾向が示され、シングルペアレントに限らず子育て世帯共通の問題と捉えられる。(3)コミュニティ支援型住宅は、高齢層では良好なコミュニティが形成されており、この形態に関する子育て世帯の関心は高い。シングルペアレントだけに限らない子育て世帯をも含む居住形態として可能性があると考えられる。 今後は母子寮退寮者の追跡調査を行い、シングルペアレント層の住要求を明らかとする予定である。
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