2000 Fiscal Year Annual Research Report
チョクラルスキー法によるZn-Mg-RE系I相の単準結晶作製と、その物性の評価
Project/Area Number |
12750588
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Research Institution | Himeji Institute of Technology |
Principal Investigator |
横山 嘉彦 姫路工業大学, 工学部, 助手 (00261511)
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Keywords | チョクラルスキー法 / 準結晶 / I相(正20面体相) |
Research Abstract |
チョクラルスキー法で単準結晶を育成する上で重要なのが、相の平衡関係を明らかにすることである。Zn-Mg-Re系のI相準結晶は、その生成条件が非常に複雑で、I相準結晶と2相平衡関係にある液相組成はきわめて狭い領域にしか存在しない。この平衡条件はAl-Cu-Fe系I相準結晶のそれによく似ている。しかもMg-Zn-RE系では蒸気圧の高い元素が含まれ、育成はさらに困難を極めることが予想される。そこで、本研究ではAl-Cu-Fe系I相準結晶の生成機構を明らかにし、チョクラルスキー法での単準結品育成を試みた。得られた単準結晶育成に必要な知見は以下のとおりである。 1)凝固に伴う組成分配が10at%を越えるため、育成速度を1時間に0.2mm以下にする必要があること。 2)単粒塊化には育成時にくびれを形成して幾何学的選択成長を促進させる必要があるが本合金では目的相と平衡関係にある液相領域が非常に限られているために温度上昇によるくびれ形成の操作が不可能である。そこで、種を鋭角に研いで細い先端を用いることで単粒塊化を試みた。 この方法ではエッチング(種付け)の善し悪しで、単準結晶育成の可否が決定する。重要なポイントは、種結晶の尖らせ具合と、種付けの温度である。Zn-Mg-RE系のチョクラルスキー法による単準結晶育成は行われてはいるが、報告にあるのは種がタングステンであり、育成された結晶も単準結晶ではなく、大きな粒からなる多準結晶である。今後は、元素の蒸発を抑えるための対策を講じたうえで、本方法を用い、Zn-Mg-RE系の単準結晶育成を試みる。
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Research Products
(1 results)