2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12750600
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
雨澤 浩史 京都大学, 人間・環境学研究科, 助手 (90263136)
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Keywords | プロトン伝導体 / 固体電解質 / リン酸塩 / 欠陥構造 |
Research Abstract |
リン酸塩をベースとした新規なプロトン伝導性固体電解質の開発指針を得ることを目的として,主にモナザイト型構造を有する希土類オルトリン酸塩(LnPO_4,Ln=La,Ce,Nd)における電気伝導特性,特に高温プロトン伝導特性について検討した.その結果,これらのオルトリン酸塩が500〜950℃の高温においてプロトン伝導性を示すことを明らかにした.また,同材料のプロトン輸率についても評価し,同様のプロトン伝導性を示す酸化物系固体電解質に比べ,高温条件下においても非常に高いプロトン輸率を持つ優れた高温プロトン伝導体であることがわかった.さらに,MAS-NMR,FT-Raman,FT-IR等の分光学的手法を用い,希土類オルトリン酸塩における局所構造ならびにプロトン伝導機構について検討した.その結果,異価カチオンの添加により希土類オルトリン酸塩中に酸素欠損としてピロリン酸イオンが生成され,このピロリン酸イオンと雰囲気中の水蒸気等水素源ガスとの平衡から結晶中にリン酸水素イオンが導入されることを明らかにした.希土類オルトリン酸塩におけるプロトン伝導はこのリン酸水素イオンを介して発現していると考えられる.このようなプロトン伝導モデルは,得られた実験結果を全て矛盾無く説明し得ることがわかった. なおH12年度に得られた成果については,第67〜68回日本電気化学会,第86〜87回粉体粉末冶金協会(各2件),10th International Conference on Solid State Protonic Conductorsにおいて発表済・予定である.
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Research Products
(1 results)
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[Publications] K.Amezawa,H.Maekawa,Y.Tomii,N.Yamamoto: "Protonic conduction and defect structures in Sr-doped LaPO_4."Solid State Ionics (in press).