2000 Fiscal Year Annual Research Report
表面活性化拡散接合対における界面構造と拡散現象の解析
Project/Area Number |
12750623
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
大石 敬一郎 九州大学, 大学院・工学研究院, 助手 (70294890)
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Keywords | 表面活性化接合法 / 拡散対 / 接合温度 / 圧接力 / スパッタ処理 / 電子顕微鏡 / 接合界面 / 相成長 |
Research Abstract |
まず,表面活性化接合装置を用いて拡散接合を行う時の熱処理温度,圧接力を変えて拡散対を作製し,低温拡散接合の最適条件を検討した.実験は,強ひずみ加工法であるECAP法により作製した超微細粒アルミニウム合金を用いて行った. (1)表面活性化接合時の温度を300,250,200℃に変えて接合を試み,全ての温度で接合することができた.(2)接合温度250℃で,接合時の圧接力を6,10,14MPaに変えて接合したところ,どの圧接力でも接合できた.しかし,圧接力が大きいと接合界面付近において試料が変形していた.(3)表面活性化接合装置内で,スパッタ処理をした場合としない場合で250℃における拡散接合を行ったところ,スパッタ処理をしない場合では接合ができなかった.(4)光学顕微鏡および電子顕徴鏡観察により,いずれの接合拡散対も酸化物などの介在物のない比較的清浄な界面で接合していることがわかった. 次に,Ni(γ相)とL12型金属間化合物Ni3Al(γ'相)の拡散対の作製に表面活性化接合法を適用し,接合界面をスパッタしない接合法の結果と比較することで,相成長挙動に及ぼすスパッタクリーニングの影響について検討した. (1)表面活性化接合法で作製した拡散対では,1123〜1223K拡散熱処理によりγ'相側に成長するγ相の界面は接合界面に対して平滑になった.(2)結晶方位関係を調べると,成長するγ相は1223Kではγ'相と同じ方位,1123Kではγ相と同じ方位をもつこと,いわゆるエピタキシャルに成長することがわかった.(3)1123Kにおいて異相界面が平滑になること,γ相がエピタキシャル成長するという現象は,スパッタを施していない拡散対では確認されておらず,移動するγ/γ'異相界面の形態および結晶方位関係には接合界面の清浄度が強く影響することが明らかとなった.(4)拡散対試料から薄膜試料を作製し,分析電子顕微鏡により接合界面部の微細組織,酸化物の分布を調べたところ,酸化物および酸素の特性X線は見られず,接合界面は平滑かつ清浄であることがわかった.
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