2000 Fiscal Year Annual Research Report
放電プラズマ焼結による酸化物の固体間反応と固相焼結における物質移動
Project/Area Number |
12750634
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
南口 誠 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (90272666)
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Keywords | 放電プラズマ焼結 / CaAl_<12>O_<19> / Al_2O_3 / 固体間反応 / 固相焼結 |
Research Abstract |
本年度は単結晶Al_2O_3と多結晶体CaAl_4O_7の固体間反応によるCaAl_<12>O_<19>の成長機構の検討を行った.Al_2O_3に関しては市販の単結晶を板状に切り出したものを用いた.CaAl_4O_7に関しては,構成する酸化物の活量を固定するためにCaAl_<12>O_<19>が5vol%析出するように秤量・混合し,通常の固相反応法により大気下で合成した.反応ごとにX線回折を行い,平衡を確認した.その粉末を放電プラズマ焼結機により相対密度98%まで緻密化したものを拡散対用の試料とした.固体間反応の実験は大気中1573から1723Kの範囲で行った.反応層の厚さの2乗が時間に対して比例関係を示したので,反応層中の拡散が律速していることがわかった.また,その反応層の成長における放物線速度常数はMg_2SiO_4やペロブスカイト構造を有するアルカリ土類のチタン酸塩や希土類クロム酸塩と比較して2桁以上小さかった.さらに,その律速過程は,生成したCaAl_<12>O_<19>層の分配比と結晶学的考察からCa^<2+>とO^<2->イオンの一方向拡散であると考察した. また,Al_2O_3粉末を用いて絶縁性酸化物の放電プラズマ焼結中の試料温度を測定したところ,φ50×10の試料における内部温度は型温度1373から1573Kにおいて試料温度はおよそ型温度と同様の温度を示した.さらに試料内の温度の不均一性は10K程度であり,非常に均一であることがわかった.この結果から,放電プラズマ焼結装置により固体間反応や固相焼結の速度論的研究を行う際,試料全体の温度を均質としてみることができることがわかった.
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