2001 Fiscal Year Annual Research Report
金属蒸着テープの劣化及び信頼性の電気化学的測定による評価
Project/Area Number |
12750646
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Research Institution | Oyama National College of Technology |
Principal Investigator |
武 成祥 小山工業高等専門学校, 物質工学科, 助教授 (20259815)
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Keywords | 金属蒸着テープ / 交流インピーダンス測定 / 塩化ナトリウム溶液 / 硫酸溶液 / 耐食性 / 水浸透性 / 評価法 |
Research Abstract |
1.模擬腐食環境下における暴露試験 電気化学的測定の信頼性を確かめるため、低濃度の硫酸溶液中に金属蒸着テープを浸漬し、テープの表面変化を実体光学顕微鏡により観察した。その結果、SONY、TDK製Hi8mm METの場合、浸漬1時間15前後、金属磁気層の劣化によりテープの透明度が高くなり、約20時間後完全に透明になり、金属磁気層が完全に消失したことが明かとなった。一方、DVC用のMET及びFUJIFILMが開発したAT0MM Hi8Proの場合、数十時間の測定において特に顕著な劣化が見られなかった。このことから、最近のMETの耐食性は向上したと言える。暴露試験の結果は電気化学インピーダンス測定の結果と良く一致している。 2.FUJIFlLM製ATOMM Hi8Proの耐食性評価 最近開発されたFUJIFILM製ATOMM Hi8Proに注目し、電気化学インピーダンス測定及び浸漬試験によりその耐食性を評価した。インピーダンスの測定結果から、低い硫酸溶液の濃度(5x10^<-4>〜5x10^<-6>M)範囲でインピーダンスの値は非常に高く、耐食性が優れていることが分かる。これは磁気層の製造に超薄層塗布型メタル媒体を採用したことによると思われる。浸漬実験でも良い耐食性を示した。 3.金属蒸着テープの水浸透性評価 水(結露)の存在で金属磁気層だけではなく、金属層を支持するプラスチックフィルムは水により劣化し、METテープの性能に悪影響を及ぼすと考えられる。METのフィルム側(バックサイド)に対してインピーダンス測定を行った結果、電解質の濃度が高くなるにつれ、インピーダンスの値が小さくなり、水はフィルム層の中へ浸透していくことが分かった。これはMETテープの耐食性評価にとって非常に有意な情報である。今後さらにフィルムの誘電率との関連などについてさらに詳しく検討するべきである。 以上の研究成果は平成13年10月に韓国で開かれる国際会議(12thAPCCC)で発表を行った。また、平成14年4月に開かれる電気化学会の第69回大会に発表する予定である。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] 武 成祥, 島貫英子, 糸井康彦, 奥山 優: "MONITORING OF DIEGRADATION PROCESS OF COMMERCIAL ME TAPES UNDER HIGH HUMIDITY ENVIRONMENT BY AC IMPEDANCE TECHNIQUES"Proceedings of 12th Asia-Pacific Corrosion Control Conference. Vol.1. 408-413 (2001)