2000 Fiscal Year Annual Research Report
高いイオン導電性を有するセリア-ジルコニア準安定化合物の合成
Project/Area Number |
12750652
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
伊豆 典哉 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (00304014)
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Keywords | 電気伝導度 / イオン伝導度 / XRD / セリア / ジルコニア |
Research Abstract |
還元・酸化という手法により合成されるYやCaをドープしたセリア-ジルコニア系のκ相の電気伝導度を調べ、通常の固相焼結法により得られる相(κ相の前駆体)と比較した。 κ相は次に示す方法で合成した。組成が(Ce_<0.5>Zr_<0.5>)_<1-x>M_xO_<2-δ>、(Ce_<0.4>Zr_<0.6>)_<1-x>M_xO_<2-δ>(x=0.02,0.10、M=Ca,Y)になるように混合した試料を1823,1923K,50hで固相焼結させ、κ相の前駆体となる試料を得た。次に、その試料を強還元雰囲気中1323,1373Kで還元させ、続いてO_2中873Kで再酸化させ、κ相を得た。 x=0.10であるκ相の前駆体の粉末X線回折(XRD)パターンでは立方晶であったが、ラマンスペクトルには、複数のピークが存在し、前駆体はt"相であった。CaやYをドープしたκ相のXRDパターンにある超格子ピークはドープしていないκ相より大きく、規則配列の程度が大きかった。これはドープ試料では酸素空孔が存在するので陽イオンの移動がドープなし試料より容易なためと推察された。ドープしたK相のラマンスペクトルはドープなしのものに比べピークがブロードであった。これはドープにより局所構造が乱れているためと推察された。ドープしたκ相のペレットは脆く、ほぼ割れた。しかしながら、(Ce_<0.4>Zr_<0.6>)_<0.98>Ca_<0.02>O_<2-δ>であるκ相のペレット密度は低いが割れなかったので、この電気伝導度σを測定した。1073Kにおける電気伝導度は7×10^<-3>Sm^<-1>であり、密度がほぼ同じ前駆体のσとほぼ同じであった。密度が低いためこれらのσが同じであった可能性があり、今後高密度のκ相を合成し、イオン伝導度を調べる必要がある。
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