2000 Fiscal Year Annual Research Report
界面近傍における特異現象解明のための近赤外エバネッセント波を利用したアプローチ
Project/Area Number |
12750662
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
神田 陽一 京都大学, 工学研究科, 助手 (60243044)
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Keywords | 原子間力顕微鏡 / 吸着 / 静電気 / 表面 / 表面間力 / 水 / シクロヘキサン |
Research Abstract |
本年度は、第一段階として、まず従来から使用してきた原子間力顕微鏡(AFM)を用いて、表面微細構造が表面間力に大きな影響を及ぼしていると考えられるがメカニズムが未解明である系として、シクロヘキサン中における雲母平板間相互作用力について検討を行った。シクロヘキサン中においては、時として、ファンデルワールス力では説明できない、超長距離引力が働くことを発見した。これは検討の結果、時間とともに減衰すること、静電気による影像力が深く関わっていることが明らかになった。またこの長距離引力は溶液中や表面に吸着した水分などの不純物により強く影響を受けることがわかった。この静電気電荷の発生は表面の状態や溶液条件に強く影響を受けることが予想される。これらの表面状態の評価の一つとして通常用いられるのが分光分析である。AFMと類似の機構を持つ走査型近接場光顕微鏡(SNOM)などを用いると、in-situ微細分光分析を行うことができる可能性がある。ただしソースが非常に弱くなりS/Nが悪くなるという弱点が予想されるため、まず通常のFTIRでどこまで感度があるのかを検討した。その結果、赤外及び近赤外のいずれの領域においても、わずかなコンタミの影響が無視できず、分光分析の光路や試料室を真空化するとか、高純度な光ファイバーを用いるなどの工夫が必要であることが明らかになった。そのため、微細分光分析への応用は来年度、装置の改良を行う予定である。
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