2000 Fiscal Year Annual Research Report
超臨界二酸化炭素に対する含フッ素有機化合物の溶解度および拡散係数に関する研究
Project/Area Number |
12750669
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
東 秀憲 九州大学, 大学院・工学研究院, 助手 (40294889)
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Keywords | 超臨界二酸化炭素 / フッ素化合物 / 溶解度 / 拡散係数 |
Research Abstract |
本年度は、流通型の溶解度測定装置を改良し、超臨界二酸化炭素に対するパーフルオロペンタデカンの溶解度の測定を行った。流通法による溶解度の測定手順は以下のとおりである。まず、実験温度に保たれた恒温槽内に、あらかじめ溶質であるパーフルオロペンタデカンを充填した平衡セルを設置した。そこに超臨界二酸化炭素を通過させることにより、平衡セル内で溶質濃度は飽和溶解度に達する。飽和溶解度は、装置出口においてトラップされた溶質の重量と湿式ガスメータにより測定される二酸化炭素の流量から決定した。まず、溶質にナフタレンを用いて測定装置および測定法の健全性を確認した後、温度313.2Kで、圧力10〜20MPaの間で超臨界二酸化炭素に対するパーフルオロペンタデカンの溶解度の測定を行った。しかしながら、試料中に含まれる不純物のためか、データの再現性があまり良くないため、さらに実験を重ねる必要がある。その後、温度・圧力を変えて溶解度データの蓄積を行う予定である。 また、得られた溶解度データの相関に、溶液論から導かれた活量係数式を適用して溶解度の計算を行った。溶液論による溶解度の計算にはパーフルオロペンタデカンの融点、および融解熱のデータが必要であったため、示差走査熱量計を用いて融点および融解熱を測定した。超臨界二酸化炭素に対する高級アルコールおよび不飽和脂肪酸の溶解度の計算に有効性が示されている方法によりパーフルオロペンタデカンに対するパラメータの値を決定したところ、良好な相関結果を得ることができた。さらに、同様の方法により超臨界二酸化炭素に対するアルカンの溶解度の計算も行い、アルカンのパラメータを炭素数と関係付けることができた。この結果、パーフルオロアルカンに対しても同様のパラメータの一般化が期待できる可能性が示され、超臨界二酸化炭素に対するフッ素化合物の溶解度の相関に対する溶液論の適用性が確認された。
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