2000 Fiscal Year Annual Research Report
分子インプリント法を用いた電場応答性分子認識ポリマーの創製
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12750681
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
吉田 昌弘 鹿児島大学, 工学部, 助手 (50315397)
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Keywords | 分子インプリント / 液晶モノマー / 高分子液晶 / 強誘電性 / 電場応答性 / 分子認識 |
Research Abstract |
分子認識能を示すような三次元構造をもった高分子を得る方法として"分子インプリント法"が注目されている。ターゲットとなる分子との間の様々な相互作用により安定に配向したモノマー群を架橋剤とともに高分子化する。そうすることでターゲット分子に対する立体的な相互作用が可能になる空洞を形成するものと考えらる。潜在的に多くの情報を蓄積しうる高分子に、ターゲット分子の分子構造の情報を高い確率で刷り込まれるように工夫した手法が分子インプリント法である。これら従来の型のインプリントポリマーは、全般的に低い認識能しか未だ得られていないという本質的な問題があり、一般性や実用性に乏しいという見方が有力である。ここで新規に分子インプリント法と外部刺激に対してON-OFF機能を組み合わせた外部刺激応答性分子認識ポリマーという方法論を提案した。 平成12年度は、ここで新規に分子インプリント法と外部刺激に対してON-OFF機能を組み合わせた外部刺激応答性分子認識ポリマーを調製するためにターゲット分子を認識するフラグメントの設計と合成を行った。分子インプリント法にとってターゲット分子と相互作用する機能性素子が重要な役割を果たすことをこれまでの基礎的研究で明らかとしている。したがって、ターゲット分子(特に光学活性物質)を高選択的に認識し、かつ電場に応答するのに最適な強誘電性を有する分子認識素子の設計および合成が最重要課題となる。具体的に、ここで合成したモノマーの分子構造上の特徴とは、電場に極めて鋭敏に応答し、相転移するようなメソゲン基(芳香環をエステル結合でつないだもの)を取り入れたことと、認識対象となる光学活性物質のキラリティーとジアステレオメリックに相互作用を実現するために、モノマー末端にキラリティーを導入したことである。
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Research Products
(9 results)
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[Publications] M.Yoshida,X.Fan,H.Yoshizawa,T.Itahara,Y.Kawano,Y.Uemura,Y.Hatate: "Preparation of microspheres with liquid crystal responses"Chemical Engineering Communications. (in press). (2001)
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[Publications] K.Araki,M.Yoshida,K.Uezu,M.Goto,S.Furusaki,: "Lanthanide-imprinted resins prepared by surface template polymerization"Journal of Chemical Engineering Japan. 33・4. 665-668 (2000)
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[Publications] 范星河,吉田昌弘,上村芳三,吉澤秀和,板原俊夫,河野恵宣,幡手泰雄: "側鎖型液晶高分子ミクロスフィアの調製"化学工学論文集. 26・3. 450-456 (2000)
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[Publications] M.Yoshida,K.Uezu,M.Goto,S.Furusaki: "Surface imprinted polymer recognizable amino acid chirality"Journal of Applied Polymer Science. 78・4. 695-703 (2000)
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[Publications] M.Yoshida,Y.Hatate,K.Uezu,M.Goto,S.Furusaki: "Chiral recognition polymer by surface molecular imprinting technique"Colloids and Surfaces A : Physicochemical and Engineering. 169. 259-269 (2000)
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[Publications] 吉田昌弘: "環境ホルモン物質を特異的に認識可能な分子インプリントポリマーの開発"化学工学. 64・8. 44-45 (2000)
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[Publications] 吉田昌弘,范星河,上村芳三,吉澤秀和,板原俊夫,河野恵宣,幡手泰雄: "液晶応答性を有する高分子ミクロスフィアの開発"機能性微粒子とその周辺技術研究会編,化学工学シンポジウムシリーズ73微粒子の制御はどこまで制御できるのか. 121-124 (2000)
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[Publications] 吉田昌弘,荒木康祐,幡手泰雄,後藤雅宏,古崎新太郎: "界面鋳型重合法を利用した分子認識デバイスの開発-アミノ酸の光学分割を目指して-"機能性微粒子とその周辺技術研究会編,化学工学シンポジウムシリーズ73微粒子の制御はどこまで制御できるのか. 111-116 (2000)
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[Publications] M.Yoshida,Y.Hatate,M.Goto,S.Furusaki: "Metal-imprinted microsphere prepared by surface template polymerization and its application to chromatography"Journal of Polymer Science Part A : Polymer Chemistry. 38・4. 689-696 (2000)