2001 Fiscal Year Annual Research Report
分子状酸素によるプロピレンの光触媒的エポキシ化反応
Project/Area Number |
12750690
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
吉田 寿雄 名古屋大学, 工学研究科, 助手 (80273267)
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Keywords | プロピレン / エポキシ化 / プロピレンオキシド / クコミアシリカ光触媒 / 光触媒 / 可視光 / シリカ / 酸素 |
Research Abstract |
プロピレンオキシドは化学工業に欠かせない重要な化学物質の一つであり、プロピレンを分子状酸素でエポキシ化する新たな触媒の開発が望まれているが未だ成功していない。一方、光エネルギーを利用することにより、アモルファスシリカ上でプロピレンが酸素分子によりエポキシ化されること、シリカに微量の添加金属を加えることによりその活性が向上することが見いだされた。本研究では、触媒として利用可能な元素のすべてにわたってスクリーニングを行い、有望な触媒についてその構造因子、触媒反応機構などを明らかにすることを目的とした。スクリーニングの結果、Ti及びZnを添加した場合に特に成績がよかったため、平成12年度はそれぞれの触媒活性種の構造と光触媒活性との相関を詳しく検討した。本年度は、様々な濃度のCrをシリカに担持あるいはゾルゲル法により添加し、光エポキシ化活性を検討した。スクリーニングの結果では主に完全酸化が進む結果となったが、Cr濃度を下げると、エポキシ化反応が進行するようにななった。Cr濃度が低いほどエポキシ化選択率は向上し、選択率は44%にも達した。キャラクタリゼーションの結果、シリカ上に分散したクロミア種がエポキシ化活性に寄与し、逆に凝集種は他の生成物の生成を促進することが明らかとなった。これはTi系と同様である。触媒調製法としては担持法を採用した方が、この孤立種を効率よく発現させられることが見いだされた。この点ではTi系と異なった。特筆すべき点は、Cr-SiO_2触媒は可視光の照射によってもエポキシ化反応を進行することである。クロミア種の光吸収帯は紫外領域から可視領域にわたり、どの波長の光で励起されても光量に見合った量の反応を同様に進行させ、プロピレンオキシドを生成できることが明らかになった。
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[Publications] H. Yoshida, C. Murata, T. Hattori: "Screening study of silica-supported catalysts for photoepoxidation of propene by molecular oxygen"Journal of Catalysis. 194. 364-372 (2000)
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[Publications] G. Martra, H. Yoshida, V. Dellarocca, C. Murata, T. Yoshida, T. Hattori, S. Coluccia, L. Marchese: "Spectroscopic characterisation and photocatalytic properties of Mg^<2+>-modified MCM-41"Studies in Surface Science and Catalysis. 140. 331-340 (2001)
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[Publications] C. Murata, H. Yoshida, T. Hattori: "Visible-light-induced epoxidation of propene by molecular oxygen over chromia-silica cataliysts"Chemical Communications. 2412-2413 (2001)