2000 Fiscal Year Annual Research Report
バイオターゲティング素子合成に適した活性制御型ホスホリパーゼDの創
Project/Area Number |
12750699
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
荻野 千秋 金沢大学, 工学部, 助手 (00313693)
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Keywords | リン脂質 / ホスホリパーゼD / 変異体解析 |
Research Abstract |
本申請研究において、現在までに行ってきた放線菌由来フォスホリパーゼD(PLD)酵素の特性について下記に示すことが新たに明らかとなった。 (1)酵素内に2カ所存在するHKDモチーフに存在する各ヒスチジン、リジン、アスパラギン酸をアラニンに変換した各変異体は活性を示すことはなく、それぞれのアミノ酸残基が触媒活性を示す上で非常に重要である。 (2)両HKDモチーフの7,8アミノ酸下流に存在するGGモチーフ、GSモチーフはともに何らかの作用によりPLD酵素と基質であるリン脂質間での触媒機能向上に関与している。特に前半HKDモチーフ下流に存在するGGモチーフにセリン残基を導入することにより、飛躍的な活性上昇を観測することが出来た。これは(1)で述べたHKDもチーフ以外の部分も触媒作用に寄与している事を示唆しており、PLD酵素の分子解析を行う上で非常に重要な発見である。 (3)(1)(2)にて使用した各種変異体の基質に対する反応特性を解析したところ、野生型PLDでは反応が見られなかった基質に対しても反応を行う変異体が明らかにされ、両HKDモチーフとその下流GG、GSモチーフは触媒機構への寄与と基質認識の二つの作用に関与していることが明らかとなった。 1年度に明らかとなった以上の事項について、2年度目は詳細な解析を行い、工業的に有用なPLD酵素の創製と新規リン脂質合成を目指し、研究を進行させる予定である。
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