2000 Fiscal Year Annual Research Report
トランスジェニックマウスの成熟B細胞を用いた代替軽鎖の機能解析系の構築と応用
Project/Area Number |
12750704
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
金山 直樹 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 助手 (70304334)
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Keywords | 免疫学 / B細胞 / V(D)J遺伝子再構成 / 代替軽鎖 / RAG |
Research Abstract |
本年度は、トランスジェニックマウスの成熟B細胞における代替軽鎖(λ5,VpreB)のin vitro発現系を確立するために、まず野生型のマウスにおいてin vitro発現系および発現調節について検討し、以下のような成果が得られた。 1.in vitroの代替軽鎖発現条件の検討:野生型マウスの脾臓B細胞を単離しanti-CD40抗体およびIL-4またはIL-7存在下で刺激したところ、λ5およびVpreBの転写がRT-PCRにより確認された。特に、anti-CD40抗体/IL-7刺激によってより強い転写がみられたことから、λ5およびVpreBはRAGと同様の条件で末梢B細胞で発現することが明らかになった。 2.λ5発現細胞集団の同定:抗λ5抗体でanti-CD40/IL-7刺激したB細胞を細胞内染色しフローサイトメーターで解析した。少数のλ5陽性の細胞集団の増加が見られたことから、in vitroで観察されるλ5の転写はタンパクにまで翻訳されており、その発現集団は少数であることが明らかになった。 3.λ5とRAGの発現の経時変化の解析:anti-CD40/IL-7刺激においてλ5とRAGの発現との経時変化の違いを比較した。λ5の発現極大(day1〜2)はRAGの発現極大(day3)よりも早く、発現の時間的フェーズに違いがあることが明らかになった。 4.λ5の発現調節の解析:anti-CD40/IL-7刺激よるλ5の発現は、B細胞レセプター(BCR)および補体レセプター(CR)を共架橋すると抑制された。この結果より、末梢B細胞におけるλ5の発現はBCR/CRからのシグナルによって調節を受けており、また、発現しているB細胞はBCR+CR+であり骨髄中でλ5を発現している大型プレB細胞(BCR-CR-)よりは分化したB細胞であることが示唆された。
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