2000 Fiscal Year Annual Research Report
多重注入法を利用する超高感度マイクロチップ電気泳動法の開発
Project/Area Number |
12750716
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
金田 隆 九州大学, 工学研究院, 助教授 (20243909)
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Keywords | キャピラリー電気泳動 / レーザー / 蛍光検出 / アダマール変換 / 多重注入 / マイクロチップ / 電気泳動注入法 / 高感度分析 |
Research Abstract |
アダマール変換キャピラリー電気泳動法をマイクロチップ電気泳動に応用するために,電気泳動注入法を用いる多重注入装置を開発した。電気泳動注入法を利用するためには,試料と緩衝溶液を交互に注入するための高電圧切り替えスイッチが必要である。そこで2つのリードリレーを作動させるための回路を作製した。回路には高電圧による計測装置に対する負荷を防ぐために,リードリレーと計測装置間にフォトカプラ(TLP521-1)を組み込み絶縁を行った。リードリレーは5Vの電圧を印加したときにのみ通電するので、コンピュータから2つのリードリレーのいずれかに5Vの電圧を印加することで,任意に試料あるいは緩衝溶液を注入することができる。さらに,リードリレーをアダマール変換コードに従って切り替えるためのプログラムを作成した。作製した装置の評価を行うために,検出窓を設けた分離用キャピラリーと,末端をそれぞれ試料,緩衝溶液中に浸した2本のキャピラリー(内径50μm)を連結したT字型キャピラリーカラムを作製し,電気泳動注入法によるアダマール変換キャピラリー電気泳動を行った。しかしながら,T字型キャピラリーカラムではキャピラリーの連結部におけるデッドボリュームが大きく,正確な試料の導入は困難であった。デッドボリュームの問題はマイクロチップを分離の場として用いることで解決できるので,来年度は本注入装置とマイクロチップを組み合わせたアダマール変換電気泳動法の開発を行う予定である。
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