2000 Fiscal Year Annual Research Report
希土類ドープ重金属酸化物ファイバの作製とその光増幅特性評価
Project/Area Number |
12750741
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
田部 勢津久 京都大学, 総合人間学部, 助手 (20222119)
|
Keywords | 希土類 / 4f電子 / 酸化物 / 光通信 / 光ファイバ / 光増幅器 / 蛍光 / レーザ |
Research Abstract |
平成12年度は、波長多重通信波長域で、高い発光効率が期待できる種々の酸化物ガラスを基本組成とし、希土類として波長1.55μm,1.45μmに発光を有するEr^<3+>,Tm^<3+>イオンをドープした試料を溶融法で作製した。純度99.99%以上の試薬(TeO_2,ZnO,Na_2CO_3,Y_2O_3,Bi_2O_3,PbF_2,SiO_2,GeO_2,Al_2O_3)を用いたバッチ組成を溶融することにより、ガラス試料を得、切削、鏡面研磨し、光学測定に供した。 蛍光寿命は、Tm^<3+>:^3H_4準位あるいは、Er^<3+>:^4I_<11/2>準位を励起し、分光器により蛍光を分光し、InGaAsフォトダイオードとオッシロスコープにより検出した。得られた蛍光減衰曲線から寿命を求め、始準位の量子効率を算出した。 ガラス組成と希土類濃度を系統的に変えて実験を行い、組成と量子効率の関係を明らかにした。また温度を変えて測定することにより、その温度依存性も明らかにした。 Er^<3+>含有Bi_2O_3系ガラスにおいて広帯域な1.5μm帯発光を得ることに成功した。また高Er濃度ガラスでは、量子効率がガラス中のOH濃度に敏感に依存することを明らかにした。 Tm^<3+>ドープPbF_2系透明結晶化ガラス試料も作成し、光物性を調べた。その蛍光スペクトルは、温度低下に伴い1.8μm帯ピークの半値幅は減少したが、1.4μm帯ではそれほど変化しなかった。また、50K以下で1.4μm帯ピークはいくつかに分裂した。さらにこの過程において、1.8μm帯発光に対する1.4μm帯発光強度比の増加、1.4μm帯発光の重心波長の長波長化がみられた。重心波長は300Kにおいて1465nmであったが、測定温度の低下ともに短波長シフトし、25Kでは1485nmまで変化した。これらの発光特性は、従来のフッ化物とEDFAとの中間空白領域で使用されるS-バンドの光ファイバ増幅器への応用可能性が示された。
|
Research Products
(8 results)
-
[Publications] Setsuhisa Tanabe: "Improved emission of Tm^<3+>-doped glass for a 1.4μm amplifier by radiative energy transfer between Tm^<3+> and Nd^<3+>"Optics Letters. 25[11]. 817-819 (2000)
-
[Publications] Setsuhisa Tanabe: "Broad-band 1.5μm emission of Er^<3+> ions in bismuth-based oxide glasses for potential WDM amplifier"Journal of Luminescence. 87-89. 670-672 (2000)
-
[Publications] Setsuhisa Tanabe: "Temperature variation of near-infrared emission from Cr^<4+> in aluminate glass for broad band telecommunication"Applied Physics Letters. 77[6]. 818-820 (2000)
-
[Publications] Setsuhisa Tanabe: "Energy transfer and 1.3μm emission in Pr-Yb codoped tellurite glasses"Journal of Non-Crystalline Solids. 274. 55-61 (2000)
-
[Publications] Xian Feng: "Spectroscopic properties and thermal stability of Er^<3+>-doped germanotellurite glasses for broad-band fiber amplifier"Journal of American Ceramic Society. 84[1]. 165-171 (2001)
-
[Publications] Hideaki Hayashi: "1.4μm-band emission properties of Tm^<3+> ions in transparent glass ceramics containing PbF_2 nanocrystals for S-band amplifier"Journal of Applied Physics. 89[2]. 1041-45 (2001)
-
[Publications] 田部勢津久: "波長多重通信光増幅器用新規酸化物ガラスにおけるTm,Erイオンの光物性"Materials Intergration(エレクトロニクセラミックス). 13[9]. 39-45 (2000)
-
[Publications] 田部勢津久: "セラミックデータブック2000年版"工業製品技術協会、(株)テクノプラザ. 256 (2000)