2000 Fiscal Year Annual Research Report
両親媒性高分子電解質とノニオン性界面活性剤から成るコアセルベートに関する研究
Project/Area Number |
12750800
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
橋爪 章仁 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助手 (70294147)
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Keywords | 両親媒性高分子電解質 / ノニオン性界面活性剤 / コアセルベート / コアセルベーション / プローブカロリメーター / NaCl濃度 / AMPS / N-ドデシルメタクリルアミド |
Research Abstract |
われわれはすでに2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸ナトリウム(AMPS)とN-ドデシルメタクリルアミド(DodMAm)との共重合体(poly(A/DodMAm(50)))とドデシルヘキサエチレングリコールモノエーテル(C_<12>E_6)を適当な条件下で混合すると、コアセルベーションがおこることを見出している。本年度は、poly(A/DodMAm(x))-C_<12>E_6コアセルベーションの機構を明らかにすることを目的として、コアセルベーションがおこる条件をプローブカロリメーターを用いて詳細に調べた。 NaCl濃度=0.3,0.4,0.6Mにおいて、poly(A/DodMAm(50))濃度、C_<12>E_6濃度に関してコアセルベーションがおこる条件を調べた結果、いずれのNaCl濃度においても、poly(A/DodMAm(50))とC_<12>E_6の濃度比が適当な場合にのみコアセルベーションがおこることが明らかとなった。ポリマー濃度をDodMAm濃度に変換し、C_<12>E_6との量的関係を調べると、両者の比が1:1を中心にコアセルベーション領域が分布していることがわかった。さらに、NaCl濃度が高いほど、コアセルベーションのおこる領域が大きいことも明らかとなった。 混合比が[DodMAm]:[C_<12>E_6]=1:1のときのpoly(A/DodMAm(50))-C_<12>E_6混合物の濃度とNaCl濃度に関してコアセルベーションが起こる条件を調べた結果、コアセルベーションに必要なNaCl濃度は、poly(A/Dod-MAm(50))-C_<12>E_6濃度が増加するとともに減少し、[DodMAm]>4mMで0.18Mで一定となることがわかった。この結果は、NaCl濃度がコアセルベーションに対して重要な要因の一つであり、0.18M以上のNaClがなければ25℃においてコアセルベーションがおこらないことを示す。 また、ドデシル基コンテントがより低いpoly(A/DodMAm(40))を用いてコアセルベーション条件を検討したところ、poly(A/DodMAm(50))の場合よりはるかに高いNaCl濃度でないと25℃においてコアセルベーションがおこらないことがわかった。この結果はpoly(A/DodMAm(x))中のドデシル基がコアセルベーションに対して重要であることをしめしている。 以上の結果から、poly(A/DodMAm(x))-C_<12>E_6コアセルベーションには、両者の濃度比と疎水基の導入率、NaCl濃度が重要であることが明らかとなった。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Hiroshi Yamamoto: "Self-Association in Water of Copolymers of Sodium 2-(Acrylamido)-2- methylpropanesulfonate and N-Oleylmethacrylamide Characterized by Fluorescence Quenching"Polymer Journal. 32・9. 737-744 (2000)
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[Publications] Hiroshi Yamamoto: "Micellization Protocols for Amphiphilic Polyelectrolytes in Water : How Do the Polymers Undergo Intrapolymer Associations?"Polymer Journal. 32・9. 745-752 (2000)
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[Publications] Hiroshi Yamamoto: "Associative Properties in Water of Copolymers of Sodium 2-(Acrylamido)-2-methylpropanesulfonate and Methacrylamides Substituted with Alkyl Groups of Varying Lengths"Macromolecules. 33・21. 7852-7861 (2000)
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[Publications] 橋爪章仁: "ドデシル基で修飾したポリスルホン酸ナトリウムの水/メタノール混合溶媒中での自己組織化挙動"高分子論文修. (印刷中).