2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12750822
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
木下 嗣基 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 助手 (10313008)
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Keywords | 数値計算 / 海洋環境 / 静水圧近似 / 三次元計算 / 密度流 / 局所細分化格子 |
Research Abstract |
平成12年度の研究としては、従来の海洋の数値計算で用いられている、流体の鉛直方向の物理的性質の変化は少ないという準三次元的な静水圧近似を用いた手法と、流体の鉛直方向と水平方向は等価であるという厳密な三次元計算を比較し、両者の空間的な接合を行えるプログラムを作成するという目標である。計算手法のことなる二つの計算の差異は、数メートルという海洋流体の分野では比較的微細な格子を用いたときに、はっきりと現れた。具体的な問題としては、(1)地形の起伏が激しい場所における流場の様子、(2)河川水のような密度の違いによる流れが卓越する場合の流れの様子および河川水の拡散の様子、(3)海面が冷却された時の鉛直方向の流体の対流、が静水圧近似計算と、三次元計算とで違いが見られ、静水圧近似を用いた計算では十分な精度の結果が得られなかった。以上のように定性的な傾向は把握することができたが、定量的な問題に関しては取り扱う問題により、静水圧近似で十分な場合が異なるため明確な回答を得ることはできなかった。プログラムの接合に関しては静水圧近似計算の領域中に三次元計算の領域を設け、相互に影響を与えあうようなプログラムを作成した。静水圧近似計算による広範な領域と三次元計算による微細な領域を接続するために、段階的に格子間隔を細分化していく、局所細分化格子を採用したプログラムを作成した。隣り合う格子間隔の比を任意に設定できるようにすることで、様々な解析ができるようにした。また、格子間隔に依存する時間間隔を、格子系ごとに段階的に設定できるようにして、計算時間を大幅に短縮することが可能となり、広範囲な計算が可能となった。
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Research Products
(1 results)