2001 Fiscal Year Annual Research Report
添加剤を用いた流体輸送システムの高効率化に関する研究
Project/Area Number |
12750829
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
宗像 瑞恵 熊本大学, 工学部, 助手 (30264279)
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Keywords | 流体輸送 / 非ニュートン流体 / 抵抗低減 / 旋回流 / 界面活性剤溶液 / LDV / LES / せん断乱流 |
Research Abstract |
まっすぐな円管内乱流における添加剤を用いた抵抗低減流れに関する研究では、添加剤に高分子および界面活性剤を用いて,その流れ場のレイノルズ応力に寄与するコヒーレント構造について調査した.2次元ドップラー流速計(LDV)により計測したレイノルズ応力成分を4象限分類法によってコヒーレント構造を抽出した.その結果,70〜80%程度の低抗低減率の高い流れ場では,従来のコヒーレント構造は存在せず,ランダムに混ざり合うような流れであることが明らかになった.また,混合長モデルを使用してレイノルズ応力の分布から渦の伸張の度合いの分布を見積もったところ,抵抗低減流れでは渦の伸張が小さくなっていることを示した. 自由渦流入型の案内羽根旋回流発生装置により旋回流を形成する円管流において,界面浩性剤を添加する濃度,流速および初期旋回強さを変えて界面活性剤による抵抗低減効果とその流動特性について調査した.その結果,低濃度(140ppm)では抵抗低減が見られなかったが,さらに250ppm以上に濃度を高くすれば旋回流場においても60%程度の抵抗低減効果が得られ,初期旋回強さが小さくなるにつれて抵抗低減効果が増加する傾向が得られた.LDVにより速度分布を計測したところ,抵抗低減効果のある旋回流の場合,円管入口の上流側から強制渦が観察され,溶媒(水)の場合のランキンの組み合わせ渦型から旋回強さの減衰に伴い強制渦に変化するパターンとは大きく異なることを示した.また,初期旋回強さがスワール数で1に近い流れ場では,上流側で急激に旋回強さが減衰し,抵抗低減効果に大きく寄与していることを指摘した.乱れ強さは,溶媒の場合に比べて極めて小さく,管軸周辺での渦芯の振れ回り現象も観察されなかった. また,非ニュートン流体の数値計算については,粘弾性モデルとしてFENE-P(Finitely Extensible Non-linear-Peterlin)モデルを用いたチャンネル乱流および正方形断面を有する曲り管流れにおけるLESを試み,そのコードの有効性と曲り部での抵抗低減効果の減少を示した.
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Munekata, M., Shibata, E., Matsuzaki, K., Ohba, H.: "Experimental Study of Swirling Flow with Surfactant for Drag Reduction in a Pipe"JSME International Journal Ser. B. 45・1. 35-40 (2002)
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[Publications] 宗像瑞恵, 松崎和愛, 大庭秀樹: "添加剤を用いた抵抗低減流れのレイノルズ応力に寄与するコヒーレント構造に関する研究"資源と素材. 118・1. 43-48 (2002)
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[Publications] Munekata, M., Shibata, E., Matsuzaki, K., Ohba, H.: "Experimental Study of Swirling Flow with Surfactant in a Pipe"Proc. Advanced Fluid Information-2001. 181-186 (2001)
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[Publications] 磧本孝徳, 宗像瑞恵, 松崎和愛, 大庭英樹: "非ニュートン流体における管内乱流の数値シミュレーション"日本機械学会 九州支部講演論文集. 018・2. 161-162 (2001)
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[Publications] 宗像瑞恵, 芝田英治, 松崎和愛, 大庭英樹: "界面活性剤による管内旋回流の抵抗低減効果"日本機械学会 流体工学部門講演会講演概要集. 01・3. 203 (2001)