2001 Fiscal Year Annual Research Report
ダイズ塩誘導性遺伝子群の機能解析を通した塩ストレス応答性代謝・生合成系の解明
Project/Area Number |
12760004
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
小島 俊雄 茨城大学, 農学部, 助手 (70311587)
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Keywords | ダイズ / 塩ストレス / cDNA-AFLP法 / 遺伝子発現 / 耐塩性 |
Research Abstract |
100mM塩化ナトリウム水耕液によるストレス処理を72時間施したダイズのRNAに対して、未処理のダイズRNAを用いたAFLP-based mRNA fingerprinting法(cDNA・AFLP法)の比較分析によって、106種類の塩ストレス特異的増幅断片(G__-alycine m__-ax T__-ranscript-d__-erived f__-ragment、以下GmTDF)をクローニングした。各GmTDFクローンの塩基配列と既知遺伝子とのBLAST相同性検索の結果、クエン酸関連酵素、ヒートショックタンパク質やジャスモン酸誘導性タンパク質といったストレス誘導性タンパク質、転写制御やシグナル伝達に関与するタンパク質など、これまで植物の塩ストレス応答性遺伝子として報告された遺伝子産物と高い相同性を示すGmTDFクローンが多数存在していた。一方、配列未知、機能未知なESTと相同性を示すGmTDFクローンも全体の約40%を占めており、(1)植物には未だ明らかとなっていない塩ストレス応答メカニズムが存在すること、(2)cDNA-AFLP法がダイズの環境ストレス応答性機構を解析する有用な方法であることが明らかとなった。 さらに未解明なダイズ塩ストレス応答性機構を明らかとするため、既知未知なESTクローンと相同牲を示した44クローンについて、ノーザン法およびリバースノーザン法によって転写応答性の強いGmTDFクローンを選抜した。ESTクローンの由来などを考慮して群細に分類した結果、マメ科由来のESTとのみ高い相同性を示し、ストレス処理由来の情報があるカテゴリーができ、5クローンがそこに分類された。このカテゴリーに属する遺伝子はマメ科独自に存在する塩ストレス応答性機構に関与すると予想される。現在、これらのクローンについて、全長cDNAの単離、トランスジェニック植物を用いた機能解析を進めている。
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