2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12760005
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
久保山 勉 茨城大学, 農学部, 助教授 (10260506)
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Keywords | 雌蘂 / 花粉管 / transmitting-tissue / dTph1 / 雌性不稔 / 胚乳 / 花色 / antocyanin 1 |
Research Abstract |
(1)ペチュニアの雌蘂特異的なthaumatin様タンパク質PHPSTLPのトランスポゾンによる遺伝子破壊株に関する研究 表現型を調査したところ、稔性や花粉管伸長に関して野生型との相違は観察されなかった。thaumatin様タンパク質は抗菌タンパク質としても知られているため、抗菌活性についても検討する予定である。トランスポゾンの転位による影響を避けるために、トランスポゾンを転位させる遺伝子を持たないW115と交雑を行った。その際、後代での分離に歪みが生じた。これは、この遺伝子が、受精競争において何らかの役割を持っていてこの遺伝子が壊れると配偶子におけるfitnessが低下するためだという可能性がある。さらに、W115との戻し交雑を行い、トランスポゾン転位の影響がない状態で、再度分離比を検定し、分離の歪みについて原因を明らかにする予定である。 (2)ピンクの花色を示す雌性不稔に関する研究 W138においてトランスポゾンによる遺伝子破壊株を作製する過程で、赤い斑を持つピンクの花色の雌性不稔の個体が数個体得られた。これらの個体は、いずれもある白い花に赤い斑のある個体の後代であった。花粉の稔性は正常であった。多くの個体では、結実しなかったが、中には結実するものもあった。しかし、結実したものからも、ほとんど種子は得られなかった。結実したものについて組織切片を作製して観察したところ、胚の形成が見られたが、胚乳の発達が途中で止まり、最終的には胚も崩壊するという異常が観察された。花色との連鎖等からanthocyanin 1遺伝子(an1)がこの現象の原因遺伝子であると推定された。この遺伝子はbasic-helix-loop-helix型の転写因子であることが知られており、今後はこの現象とan1についてさらに解析を行う予定である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Tsutomu Kuboyama, Kaoru T., Yoshida, Genkichi Takeda: "Antiserum against a stigma-exudate protein of tobacco,SE32,which was identical with PPAL,a beta-expansin-like protein specific to stigma,cross-reacted with another stigma-exudate protein,SE35"Breeding Science. 51. 131-135 (2001)
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[Publications] 久保山 勉: "ペチュニアW138系統より得られた花色に連鎖した雌性不稔"育種学研究. 第3巻別冊2号. 191 (2001)