2000 Fiscal Year Annual Research Report
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12760039
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
中原 治 北海道大学, 大学院・農学研究科, 助教授 (10253519)
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Keywords | イオン吸着 / イオン交換 / 火山灰土壌 / アロフェン / イモゴライト / Freundlich等温吸着式 / モンテカルロシミュレーション / RPモデル |
Research Abstract |
グランドカノニカルアンサンブルを用いたアルゴリズムの大枠が完成した。ソースコードはC言語を用いて記述し、これをCodeWarriorでコンパイルした。これにRPポテンシャ関数を組み込み、アロフェンを模した中空状粒子内での陽イオン吸着をシミュレーションした。アロフェンは火山灰土壌に特有の非結晶性ケイ酸アルミニウム鉱物であるが、その陽イオン吸着の物理化学的側面が、未だに明らかにされていない。アロフェンの陽イオン吸着は表面錯形成モデルでは記述できず、Freundlich式が有効であるが分かっている。しかし、その理論的基礎はまったく知られていなかったため、このシミュレーションモデルの有効性を評価するのには最適だと考えられる。このアルゴリズムに滑降シンプレックス法を組み込み、吸着を記述するのに必要なパラメータの最適化を行うと、中空粒子の内径(2.2nm)や表面水酸基数(nTOT=62)といった基本的なパラメータが、ほぼ実際のアロフェンで予測される値に収束した。そして吸着量のpHによる変化も非常に性格に予測した。さらにFreundlich式で記述できない領域を予測たため、この領域で吸着データを採取した。その結果、実測データはこの理論的予測を正確に一致した。粒子内部のイオンの分布を調べると、アロフェン1個当たり、吸着したイオンの数が1個と2個の間で、全く様式が異なることが分かった。2個以上ではお互いに反発が強くなり、これが、表面錯形成モデルの平均場近似で予測できない原因となることが判明した。この結果は、本シミュレーションモデルが、吸着平衡の予測に非常に有効であることを示している。
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[Publications] Osamu Nakahara: "Model of aation adsorption on allophanic soils I. Theory and algorithm"Soil Science and Plant Nutrition. 46. 11-20 (2000)
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[Publications] Osamu Nakahara: "Model of aation adsorption on allophanic soils II .Description of mono-component adsorption"Soil Science and Plant Nutrition. 46. 21-29 (2000)