2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12760059
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
木村 義雄 香川大学, 農学部, 助教授 (10243750)
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Keywords | ABC transporter / 薬剤排出タンパク質 / 粘液細菌 / Myxococcus xanthus TA / 抗生物質 |
Research Abstract |
粘液細菌は種々の抗生物質を生産する菌として知られている。粘液細菌の1種であるMyxococcus xanthus TAは抗生物質TAを生産する。この抗生物質はラクトンやアミノ酸連鎖を含んだ大環状構造を有し、細胞壁形成におけるペプチドグリカンの合成を妨げ、その作用機構はバンコマイシンと類似しているとされている。 そこで本菌の抗生物質の排出タンパク質とその機能を明らかにするため、抗生物質TAの排出に関与すると考えられるABC-transporter排出タンパク質をコードしている遺伝子のクローニング及び塩基配列を決定し、その1次構造を明らかにすることを今年度の目的とした。 薬剤排出型ABC-transporterのコンセサス配列であるWalkerモチーフのアミノ酸配列をもとにプローブを作製し、M.xanthus染色体遺伝子ライブラリーよりクローニングを行なった結果、1つの遺伝子がクローニングされた。得られた遺伝子がコードしているタンパク質の特徴はATPの結合サイトであるWalkerモチーフが2つ存在すること、疎水性領域を有していないことなどがあり、そのアミノ酸配列は、放線菌などでみられるmacrolide系の抗生物質の排出タンパク質と高い類似性がみられた。 次年度は今回得られた遺伝子の破壊変異株を作製し、この遺伝子がコードしている薬剤排出タンパク質の機能を明らかにしたい。
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Research Products
(1 results)