2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12760067
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Research Institution | Tokyo University of Pharmacy and Life Science |
Principal Investigator |
時下 進一 東京薬科大学, 生命科学部, 助手 (60266898)
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Keywords | オオミジンコ / ヘモグロビン鎖遺伝子 / クラスター構造 / HIF-1β |
Research Abstract |
(オオミジンコHIF-1βに対する特異抗体の作製)大腸菌のpET発現ベクターを用いて、オオミジンコHIF-1βと他の生物のHIF-1βとの相同性の少ないC末端側部分231残基をHisタグをもち、チオレドキシンと融合したタンパクとして生産させ、Hisタグに対するアフィニティーカラムにより精製した。Hisタグとチオレドキシンをエンテロキナーゼにより除いたHIF-1βのc末部分を用いてラットを免疫し、オオミジンコHIF-1βに対する特異抗体を作製した。今後、酸素濃度の変化に依存したHIF-1β遺伝子の発現量についての解析やミジンコ胚及びミジンコ成体における発現部位の同定等を行っていく予定である。 (新規ヘモグロビン鎖遺伝子の単離)新規ヘモグロビン鎖遺伝子の単離を行うために、ミジンコより染色体DNA断片を分離し、λファージベクターを用いて、染色体DNAライブラリーを作製した。このライブラリーを用いて、これまでにクローン化した3つのヘモグロビン鎖遺伝子の遺伝子間配列をDNAプローブとして、まだ得られていない遺伝子を含む染色体DNA断片を複数単離した。その全塩基配列を決定し、クラスター構成を明らかにした。その結果、既知のクラスターの3'側には新たな遺伝子は確認できなかったが、5'側には3個の新規ヘモグロビン鎖遺伝子の存在が明らかとなった。これより、ミジンコ染色体上には、約20kbに渡り6個のヘモグロビン遺伝子が同一方向に並んで存在することが明らかとなり、いずれのヘモグロビン遺伝子の上流にも、HIF-1の結合配列と相同な配列が複数存在した。しかしながら、ヘモグロビン中には今回得られた以外にもサブユニット鎖が存在することから、さらに大きなクラスター構造をとっている可能性が考えられることから、現在も染色体歩行を行っている。
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