2001 Fiscal Year Annual Research Report
好アルカリ性細菌の新規複合体型Na^+/H^+アンチポーターMrpに関する研究
Project/Area Number |
12760068
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
伊藤 政博 東洋大学, 生命科学部, 助教授 (80297738)
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Keywords | 極限環境微生物 / 好アルカリ性微生物 / Na^+ / H^+アンチポーター / Bacillus pseudofirmus / pHホメオスタシス / コール酸耐性 |
Research Abstract |
好アルカリ性Bacillus pseudofirmus OF4の新規複合体型Na^+/H^+アンチポーターMrpの生理的機能を明らかにするため、平成13年度は、以下のような実験を行ない、有用な結果を得た。 まず、平成12年度にMrpが膜電位に依存した二次輸送系としてばかりではなく一次輸送系としても機能しうることが示唆されたことを踏まえて、次のような実験を行った。7つのサブユニットからなるMrpの各サブユニットの役割を明らかにする第一歩としてMrpAとMrpCの部位特異的変異プラスミドを構築した。これらの変異プラスミドをNa^+/H^+アンチポーターや呼吸鎖の一部を欠損した大腸菌変異株に形質転換し、相補実験を行った。実験の結果、MrpAでは一次輸送系と二次輸送系の両方の機能の同時に喪失することが明らかになった。これからMrpAは、これらの機能に必要不可欠であることが示唆された。次にMrpCでは二次輸送系で機能するNa^+/H^+アンチポーター活性は保持するが、膜電位を消失させてしまうと一次輸送系として機能する細胞内Na^+濃度の維持機能を喪失するが明らかになった。これからMrpCは、一次輸送系の機能に関わる重要なサブユニットであることが示唆された。今後、同様の実験系で他のサブユニットの役割についても明らかにする予定でいる。 次に、平成12年度にOF4株にとってmrpオペロンを欠損することが致死的であることが示唆され、今年度は、染色体上のMrpオペロンのプロモーターをP_<spac>プロモーターに改変し、条件致死変異株の構築を試みたが、成功しなかった。この理由としては、実験に使用した温度感受性プラスミドの温度感受性が喪失してプラスミドの除去がうまくいかなかったことなどが考えられる。今後、他のアプローチによりMrp変異株の構築を検討中である。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] M.Ito, A.A.Guffanti, T.A.Krulwich: "Mrp-dependent Na^+/H^+ antiporters of Bacillus exhibit characteristics that are unanticipated for completely secondary active transporters"FEBS Letters. 496・2-3. 117-120 (2001)
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[Publications] M.Ito, M.Nagane: "High osmolarity and glycine treatment improve the electro-transformation efficiency of facultatively alkaliphilic Bacillus pseudofirmus OF4"Bioscience,Biotechnology and Biochemistry. 65・12. 2773-2775 (2001)
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[Publications] T.A.Krulwich, M.Ito, A.A.Guffanti: "The Na^+-dependence of alkaliphily in Bacillus"Biochimica et Biophysica Acta. 1505・1. 158-168 (2001)