2000 Fiscal Year Annual Research Report
ホルムアルデヒド資化経路がリグニンモデル化合物資化性菌の代謝に及ぼす影響
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12760070
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Research Institution | Okayama University of Science |
Principal Investigator |
三井 亮司 岡山理科大学, 理学部, 助手 (60319936)
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Keywords | ホルムアルデヒド / メチロトローフ / リグニンモデル化合物 / リブロースモノリン酸経路 / Burkholderia cepacia / 微生物育種 / 代謝 |
Research Abstract |
近年、メチロトローフ細菌のみに存在するといわれてきたHCHO資化経路(リブロースモノリン酸経路)が様々な原核微生物のシークエンスプロジェクトの進行により、非メチロトローフ細菌においても広く遺伝情報として持つことが明らかになってきた。 本研究ではこの資化経路が原核生物一般において、自然界に多量に存在するHCHOの強い毒性を回避する機構として備わっている可能性を想定し、非メチロトローフ細菌であり、バニリン、バニリン酸といったリグニンモデル化合物を単一炭素源として生育するBurkholderia cepacia TM1をモデルとしてHCHO資化経路の存在を確認し、モデル化合物代謝時に副次的に生成するHCHOとの関係を明らかにすることを目的とした。 培養時に微量のHCHOを培養液中に添加することにより、かなり微弱ではあるがHCHOを糖リン酸へと固定する酵素3-ヘキシュロース6-リン酸シンターゼ(HPS)活性が誘導され、さらに、リグニンモデル化合物を炭素源としたときにもHPS活性が誘導されることが明らかになった。これはリグニンモデル化合物代謝時の脱メチル化反応により生成するHCHOにより誘導を受けたものと考えられる。 今回モデルとしたB.cepacia TM1株はバニリンを炭素源として培養したとき、培養液中に多量のバニリン酸を蓄積する。このことはバニリン酸の脱メチル化反応が律速であり、律速因子がHCHOであることが考えられる。これはHCHO固定活性が微弱であり、HCHOの毒性が速やかに回避できないことに起因していることが考えられ、この点を遺伝子工学的手法により育種するため、B.cepacia TM1への形質転換をエレクトロポレーション法で行うことに成功した。現在、メチロトローフ細菌の強力なHCHO固定酵素をコードする遺伝子をB.cepacia TM1で発現させ脱メチル化反応に及ぼす影響を検討している。
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