2000 Fiscal Year Annual Research Report
モニターペプチド-受容体結合によるCCK放出機構の解明
Project/Area Number |
12760087
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
都築 巧 京都大学, 農学研究科, 助手 (50283651)
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Keywords | 膵酵素分泌 / コレシストキニン / モニターペプチド / 受容体 / 精製 / プロテアーゼ |
Research Abstract |
蛋白質、脂肪酸などの食品成分の摂取によって小腸から血中にコレシストキニン(CCK)が放出され膵臓から消化酵素が分泌される。申請者らは、蛋白質摂取によるCCK放出のメディエーターとして、アミノ酸残基61個のペプチド「モニターペプチド(MP)」を発見した。また最近、申請者らは小腸管腔表面に存在するMP受容体のcDNAクローニングに成功し、その構造を明らかにした。 本年度は、得られた受容体遺伝子の安定発現細胞株の作成を行った。受容体cDNAを発現ベクターpcDNA3.1に組み込んだものをヒト結腸腺癌細胞Caco-2にトランスフェクトし安定発現株を得た。発現蛋白質は還元下のSDS-PAGE上で120kDaであった。この細胞とヨードラベル化したMPをインキュベートしたが特異的結合は検出されなかった。このことから発現蛋白質がMPと結合できる形ではないことが予想され、結合には受容体がプロセッシングされることが必要であると考えられた。実際、ラット小腸表面に存在する受容体とMP複合体は還元下のSDS-PAGE上で約33kDaである。現在、受容体を成熟型へと変換させる酵素(プロテアーゼ)の同定を試みている。 また、申請者は小腸表面にはMP受容体のサブタイプがあることを見い出し、その蛋白質の精製を試みた。小腸粘膜細胞を2%のTritonX-100で可溶化し、その遠心上清を陰イオン交換クロマトグラフィーにて粗分画した。目的の蛋白質はカルボキシル末端にポリヒスチジンタグを融合させたリコンビナントMPを用いたアフィニティークロマトグラフィーによって精製した。精製蛋白質をSDS-PAGE、PVDF膜へのエレクトロブロッティングに供し、CBBで染色された約27kDaの蛋白質のアミノ末端の配列を決定した。得られた配列は先に得られた受容体のものとは一致しなかった。
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Research Products
(1 results)