2000 Fiscal Year Annual Research Report
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12760092
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
片倉 喜範 九州大学, 農学研究院, 助教授 (50264106)
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Keywords | テロメラーゼ / 細胞老化 / テロメア / テロメラーゼプロモーター / TGF-β / 核外移行 / プロテインキナーゼC / 有限寿命化 |
Research Abstract |
1.TGF-βによるガン細胞への老化誘導 TGF-β処理に伴いガン細胞に細胞老化が誘導されることを明らかにした。また各種阻害剤を用いた研究により、その老化誘導経路にはプロテインキナーゼC(PKC)が関与していることを明らかにした。そこで、各種PKCアイソザイムとGFPとの融合タンパク質をガン細胞に発現させ、さらにTGF-β処理を行い、活性化とともに膜移行を引き起こすアイソザイムを同定することで、老化誘導に関与するPKCアイソザイムの同定を行った。その結果、PKC-δがTGF-β処理とともに活性化されることを見いだした。さらに、このPKC-δをガン細胞に導入したところ、細胞老化マーカーであるβ-ガラクトシダーゼ活性を発現し、またテロメラーセ触媒サブユニット遺伝子であるhTERT遺伝子の発現抑制を引き起こした。以上の結果より、PKC-δが、老化誘導経路において重要なシグナルメディエーターとして機能していることを明らかにするとともに、PKC-δが老化シグナルをバイパスし、単独で細胞老化を誘導しうることを明らかにした。 2.テロメラーゼプロモーターの機能解析 ヒト胎盤ゲノムライブラリーよりhTERT遺伝子プロモーターの取得に成功し、ガン特異的シスエレメントの定に成功した。さらにhTERTプロモーターのガン特異的活性発現には、E-boxを介したc-Mycの機能が重要なとも見いだした。また同時に、上記研究により老化誘導経路への関与が明らかとなったPKC-δが、hTERTプモーターを抑制しうることを新たに見いだした。 3.テロメラーゼの核移行 テロメラーゼの核外移行メカニズムを明らかにするため、その核外移行シグナルの同定を試みたところ、核移行のコンセンサス配列に非常に類似した核外移行シグナルの同定に成功した。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Seiji Kawamoto, et al.: "Effect of 14-3-3 protein induction on cell proliferation of A549 human lung adenocarcinoma"Cytotechnology. 33. 253-257 (2000)
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[Publications] Yuichi Inoue, et al.: "Properties of ras-amplified recombinant BHK-21 cells in protein-free culture"Cytotechnology. 33. 21-26 (2000)
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[Publications] Yuichi Inoue, et al.: "Enhanced antibody production of human-human hybridomas by retinoic acid "Cytotechnology. 33. 83-88 (2000)
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[Publications] Shahabuddin Alam, et al.: "Improvement of a method to reproducibly immortalize human T cells by oncogene transfection"Cytotechnology. 33. 71-78 (2000)
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[Publications] Kazunari Kanezawa, et al.: "Telomerase inhibiting activity in vitro from natural resources, marine algae extracts"Cytotechnology. 33. 221-227 (2000)
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[Publications] 片倉喜範: "食品機能研究法"光琳. 348 (2000)
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[Publications] 片倉喜範: "動物細胞工学ハンドブック"朝倉書店. 342 (2000)