2000 Fiscal Year Annual Research Report
クロロフィル蛍光を用いた、光合成活性の評価とパラメタリゼーション
Project/Area Number |
12760106
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小杉 緑子 京都大学, 農学研究科, 助手 (90293919)
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Keywords | クロロフィル蛍光 / ガス交換速度 / 光合成 / 蒸散 / 気孔コンダクタンス |
Research Abstract |
植物のCO_2交換過程の制御は気孔の開閉と葉内におけるCO_2同化の2つのプロセスによって決定されている。近年、植物による制御を表す関数として気孔コンダクタンスと光合成のサブモデルを組み込むことで、植物個葉や群落での光合成速度や蒸散速度の同時推定が可能になってきた。しかし、実際の植物はどのようなパラメータをとるものなのかについての情報があまりにも少ないまま、モデルを使ったシミュレーションが先行しているのが現状である。そこで植物個葉のガス交換測定と併行したクロロフィル蛍光の測定によって、気孔開閉によらない光合成活性のうち電子伝達速度に関する特性を直接評価し、これをガス交換測定から得られる知見と合わせることによって、光合成速度制御の原因について解析することを目的として研究を行っている。 平成12年度は、まず個葉上でのガス交換速度とクロロフィル蛍光の同時測定にあたって、安定したパラメータ群を得られる測定条件の確定を行った。また瀬戸内気候区内の緑地帯に生育する樹木を中心に、野外の様々な環境条件下において、個葉のガス交換速度およびクロロフィル蛍光の特性を測定し、放射環境・温度・湿度・土壌水分といった環境条件や植物の生理的条件、あるいは種の違いなどによってその特性がどのように変化するのか、についての情報を集め(観測は継続中)、同時に微気象各項目および土壌水分条件を連続モニターするための観測システムを立ち上げた。またポット苗を用いて土壌水分制御実験を行い、土壌の乾燥が光合成速度を制御している各要因にどのような影響を与えるのかについての情報を収集した。これらの特性をパラメータ化することによって光合成モデル中の各パラメータの挙動について解析中である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 西田顕郎,小杉緑子,大手信人: "樹木単葉の分光反射特性と光合成速度および水分欠乏との関係"日本リモートセンシング学会誌. 20. 6-16 (2000)
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[Publications] 松田咲子,西田顕郎,大手信人,小杉緑子,谷誠,青木正敏,永吉信二郎,サマキー,ブーニャワット,戸田求: "熱帯モンスーン地域における広域潜熱フラックス推定に向けたNDVI-輝度温度関係の特性解析"水文・水資源学会誌. 13. 44-56 (2000)