2000 Fiscal Year Annual Research Report
低温性プランクトン藻類光合成の変動する光環境に対する応答の解析
Project/Area Number |
12760134
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Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
鈴木 祥弘 神奈川大学, 理学部, 助手 (50301586)
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Keywords | ポリニア / 光合成応答 / 光合成 / 低温 / 植物プランクトン / クロロフィルa |
Research Abstract |
北極域海洋ポリニアでの調査の結果、この海域の環境が激しく変動する光強度と低温とによって特徴づけられることが明らかになっている。本申請研究では、この点に着目し、植物プランクトンが低温下で変動光環境にどの様に対応し、光合成を維持しているかを明らかにする。このために、(1)シミュレーション培養システムの構築(2)異なる光強度の環境への光合成応答(3)低光強度から高光強度など光強度を変化させた際の光合成応答と応答にかかる時間(4)現場の変化し続ける光環境をシミュレーションし、これに対する光合成応答を測定の順で、光合成応答を解析する予定である。 本年度は、(1)と(2)を実施した。シミュレーション培養システムの構築するために、光強度と同時に現場海域海中の青色の光質にも着目した。蛍光管10種、ハロゲンランプ等電球11種発光タイオード5種の計26種の光源を光ファイバー分光器を用いて測定した結果、青色、青緑色の発光ダイオードが光源として適当であることを明らかにした。発光ダイオードを密植した光源を作成し、これを低温培養装置に組み込み培養装置を完成した。次に、(2)異なる光強度の環境への光合成応答を調べるため、北極ポリニア海域より単離した植物プランクトン株を光強度を変化させて培養した。その結果、光強度によりカロチノイド/クロロフィルa比が変化することを明らかにできた。これを指標とすることで、光強度に対する応答のモニタリングが可能になった。さらに、青色光で培養したときのみ、紫外域に吸収を持つ色素が藻類細胞中に蓄積されることが明らかになった。この色素は現場で生育している藻類試料に認められたにも関わらず、旧来の光源で培養した培養株には認められなかった。この結果は、シミュレーション培養システムにより始めて、自然に近い状態で藻類を培養できたことを示唆していた。
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