2000 Fiscal Year Annual Research Report
霞ケ浦流域における流域水質管理計画の計画策定支援システムの作成
Project/Area Number |
12760159
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
加藤 亮 茨城大学, 農学部, 助手 (10302332)
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Keywords | GIS / 流域管理 / メッシュデータ / リモートセンシング / 窒素排出負荷 / 原単位 |
Research Abstract |
本研究は、流域水質管理計画の策定支援システムの開発を目指している。本年度は、霞ヶ浦流域を対象としたGISによるメッシュデータベースの構築を行った。データベースは、標高、土地利用面積、人口、畜産データと窒素排出負荷の原単位データ、および水質データから構成される。 標高データは、国土地理院発行の50mメッシュ標高データを用いた。土地利用面積については、ランドサットTMセンサーによるリモートセンシングデータを用いて、画像解析を行い、土地利用分類を行って得た。人口、畜産データについては茨城県の統計データを用いた。窒素排出負荷の原単位は、霞ヶ浦湖沼保全計画第3期の数値を採用した。水質データは公共用水域水質測定結果で公表された数値の年平均値を用いた。これら入力データは、1980年から1995年について収集した。 また、このデータベースを活用し、流域内部の小河川について、窒素排出負荷量の算定を行い、GISによる表示を行った。経年的な窒素排出負荷の変動と水質変動の関係に時間遅れが認められ、その原因として、畜産廃棄物等の農業起因による窒素排出負荷の土中への堆積の影響があることがわかった。さらに、人口増加による水質変動の影響もGISによって表すことができた。以上、土地利用の変化が及ぼす、水質・水環境への影響を評価するシステムの核となるデータベースの構築と、原単位法による窒素負荷の評価ができた。 今後、このデータベースを利用し、土地利用計画の策定による水環境への影響を予測するモデルの構築を試みる。具体的な手法として、分布型の流出モデル、水質モデルを構築し、上記データベースと組み合わせて利用することで、流域水質管理計画に有用な、策定支援システムの構築を目指す。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 加藤亮,黒田久雄,中曽根英雄: "霞ヶ浦流域における窒素排出負荷の抑制のためのGISの適用"システム農学会2000年度春季シンポジウム要旨集. 16巻別号1. 66-67 (2000)
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[Publications] 加藤亮,黒田久雄,中曽根英雄: "GISを用いた霞ヶ浦流域水質管理のための窒素負荷の変動の分析"農業土木学会大会講演要旨集. 94-95 (2000)
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[Publications] T.Kato,H.Kurada,H.Nakasone: "Construction of the GIS Database System for the planning of a Watershed Management in Kasumigaura basin."THE XID Memorial CIGR World Congress.. 197-197 (2000)