2000 Fiscal Year Annual Research Report
カスケード式頭首工の水理構造諸元の決定方法に関する研究
Project/Area Number |
12760166
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
小島 信彦 明治大学, 農学部, 講師 (10277725)
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Keywords | カスケード式頭首工 / 水クッション / 護床工 |
Research Abstract |
1.現地調査 平水時においては所期どおりの機能を発揮していることを確認した。カスケード部と下流護床工との接続部もスムーズに流れており、さらに下流河床との接続部でも局所洗掘などの問題は生じていない。また、7月の調査においては、カスケード部からの鮎の遡上も観察でき、設計時の配慮の一端を見ることができた。 2.水理模型実験 実験対象として、3段のステージからなる和田島頭首工(静岡県)を取り上げた。実験模型装置は、水路幅を200mmとし、その他の水理諸元はフルードの相似則により原型の1/10とした。 (1)河川流量と各ステージ内の流況との関係を明らかにするために、下流側水路を堰上げ背水の影響を受けないよう自由流下の条件に設定した。その結果、上流のステージから順に常流から射流へと移行し、その流量はそれぞれのステージでほとんど変わらなかった。また、その流量は原型換算でおよそ100m^3/sであり、土地改良事業計画設計基準による水クッション設計方法から計算した流量35m^3/sよりも遙かに大きい値を示した。 (2)次に、下流側護床工を設置して実験を行った。実験条件は、カスケード部のステージの体積と護床工の高さが違うことによって生じる水クッション部の体積との比を変えることによって設定した。なお、水クッション部の深さは原型どおり600mmを基準とした。ステージと下流水クッションの体積の比の変化に関わらず、第1ステージと第2ステージにおいて常流から射流へと変化する流量に差はみられなかった。一方、第3ステージにおいては、比が1:0より1:1に至るまでは、射流へと移行する流量は増大したが、それ以上大きくしてもほとんど変わらなかった。また、下流側護床工部での流況を観察すると、1:1のときには、跳水が高い方の護床工の角部で生じていることから、維持管理を考えると、1:1.2程度となるように設計することが望ましいとの知見を得た。
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