2000 Fiscal Year Annual Research Report
植物個体内のクロロフィル蛍光分布を利用したストレス要因の同定
Project/Area Number |
12760176
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
荊木 康臣 山口大学, 農学部, 助教授 (50242160)
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Keywords | クロロフィル蛍光 / 画像計測 / ストレス同定 |
Research Abstract |
本研究では、植物体内におけるクロロフィル蛍光パラメータの分布から、植物にストレスを与えている要因を推定する可能性を探ることを目的とし、本年度は、植物体内でのクロロフィル蛍光パラメータの分布およびその変化パターンを調べるためのクロロフィル蛍光測定法について、画像解析の利用およびPAM方式クロロフィル蛍光測定装置の利用の2つ方法で検討した。クロロフィル蛍光の画像計測に関しては、バレイショの培養植物体を材料とし、高感度冷却式CCDカメラにより培養器外からクロロフィル蛍光を画像計測するシステムを開発した。光源には光ファイバー式ハロゲンランプを用い、光学フィルターを組み合わせることで光量を調節し、さらにCCDの電荷蓄積時間を変化させることで、クロロフィル蛍光パラメータFv/Fm(PSIIの最大の量子収率に対応)の画像計測が可能であった。本システムでは、一度に数枚の葉を撮影することが可能であった。さらに光源の数を増やし、飽和光を照射できる範囲を広げることで、培養植物体一個体全体を一度に撮影して、個体内でのFv/Fmの分布を画像化することも可能であると思われる。 さらに、温室内で栽培されているコーヒー苗を用いて、水ストレスを与えた時のクロロフィル蛍光パラメータΔF/Fm(PSIIの実際の量子収率)の個体内分布を、PAM方式クロロフィル蛍光測定装置を用いて測定した。その結果、ΔF/Fmの値は、測定点おける光強度に大きく依存しているため、日中の測定では、直達光を遮る等して、1)周囲光の急激な変化を抑える、2)なるべく植物体全体に均一な光が当たるようにすることが、個体内でのクロロフィル蛍光パラメータの分布を測定する上で重要であることが示唆された。
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