2000 Fiscal Year Annual Research Report
藻類を利用した二酸化炭素分解・酸素再生システムの開発に関する研究
Project/Area Number |
12760178
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Research Institution | Akita Prefectural University |
Principal Investigator |
小峰 正史 秋田県立大学, 生物資源科学部, 講師 (20315592)
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Keywords | スピルリナ / 酸素再生システム / 数値計算 / 酸素発生速度 / 培養槽内光強度分布 |
Research Abstract |
平成12年度は,培養槽内部に形成される光強度分布の計算方法の確立および培養液の攪拌が酸素発生速度に及ぼす影響を明らかにするという目的のもと, 1.モデル培養装置の開発 2.モデル培養装置による培養実験の実施と,基礎データの収集 3.基礎データであるスピルリナ懸濁液の光学パラメータの決定 を行った。 モデル培養装置の開発および培養実験の実施については,一定の光照射強度のもと,一定の培養液温を維持し,かつ藻類の細胞密度を一定に制御しつつ連続培養できうる培養装置を開発し,連続培養実験を行った。数度にわたる培養実験の結果,低密度においては当初計画したごとく培養が可能であったが,密度が高くなると供試した藻(Spirulina platensis)が凝集状態となり,適切な培養が行えなかった。原因は究明中であるが,培養装置側に特に問題があるとは考えられず,また,藻の増殖速度が従来の研究結果と比較すると低いことから,供試したSpirulinaに問題があった可能性が高い。新たな藻株を入手して検証する予定である。 高密度における連続培養ができなかったため,モデル培養装置による培養実験は比較的低密度の1試験区のみのデータが得られた。スピルリナ懸濁液の光学パラメータについても,培養によって得られた懸濁液を供試して決定するので,こちらについても1試験区分のデータのみが得られた。これらのデータを用いて数値計算を行った結果を実測値と比較した結果,現時点では計算値と実測値との間に隔たりが大きく,実用的な手法の確立には至らなかった。本年度は問題点の抽出を行い,予測計算法を早期に確立して,攪拌の影響の解明および酸素発生速度の予測方法を確立する予定である。
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