2000 Fiscal Year Annual Research Report
ゼブラフィッシュのミュータント解析によるセロトニン神経発生機構の検討
Project/Area Number |
12760203
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Research Institution | Rakuno Gakuen University |
Principal Investigator |
寺岡 宏樹 酪農学園大学, 獣医学部, 講師 (50222146)
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Keywords | ゼブラフィッシュ / セロトニン神経発生 / sonic hedgehog / fibroblast growth factor / floating head / ミュータント / 中枢神経 |
Research Abstract |
摂食、睡眠など脳のセロトニン(5HT)神経機能の重要性についてはよく知られているが、その発生・分化・維持機構についての知見は不足している。今回、中枢5HT神経の発生機構をゼブラフィッシュ(ゼブラ)を用いて検討した。 1)5HT抗体染色により、ゼブラの5HT免疫陽性(5HTir)神経は受精後約45時間(hpf)頃より中脳と後脳腹側部、及び松果体光受容細胞と頚部に発現が認められた。さらに72hpfまでには視床下部と中脳背側部にも観察された。5HTir神経の発現プロフィールはその後少なくとも100hpfまでは変化しなかった。 2)Degenerate PCR法により、2種類のトリプトファン水酸化酵素(ZTPHa,b)のフラグメントを得た。これを鋳型としたプローブを用いたin situ hybridizationを行った結果、35hpfぐらいから、ZTPHaは後脳腹側部と松果体光受容細胞に、ZTPHbは松果体光受容器にのみ発現が見られた。 3)Sonic hedge hog(Shh)やその伝達系に欠損のあるミュータント(syu,you,cyc,oep,sqt)は後脳の5HT神経発現をほぼ欠損していた。Shh mRNAの初期割球胚への注入により、後脳5HT神経発生の増大が見られた。逆に、Shh伝達経路を阻害すると考えられるフォルスコリン暴露により、後脳5HT神経発生が抑制された。 4)初期胚のFgf-8発現に減弱を示すミュータント(ace,noi)は後脳の他、松果体頚部の5HT神経発生が著しく抑制されていた。Flhミュータントは松果体光受容細胞の他、松果体頚部の5HTir神経の発現がほぼ消失していた。 これらの成績は少なくとも一部の中枢5HT神経発生にFgf-8が必要であることを示唆する。この他、後脳5HT神経にはShhが、松果体頚部5HT神経にはFlhの作用が必要とされるようである。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Teraoka,H.,Maruyama,Y.,Takehana,K.,Iwanaga,T.,Fujita,S.,Ohta,T.: "Ca^<2+> Signaling in Porcine Duodenal Glands by Muscarinic Receptor Activation"American Journal of Physiology. (In press).
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[Publications] Maruyama,Y,Teraoka,H,Iwata,H.,Kazusaka,A.,Fujita,S.: "Inhibitory Effects of Endogenous Dopaminergic Neurotoxin, Norsalsolinol on Dopamine Secretion in PC12 Rat Pheochromocytoma Cells"Neurochemistry International. (In press).
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[Publications] Dong,W.,Teraoka,H.,Kondo,S.,Hiraga,T.: "2,3,7,8-tetrachlorodibenzp-p-dioxin induces apoptosis in the dorsal midbrain of zebrafish embryos by activation of arylhydrocarbon receptor"Neuroscience Letters. (In press).