2000 Fiscal Year Annual Research Report
ダントロレン誘導体を用いた細胞内カルシウム放出機構の解析
Project/Area Number |
12770043
|
Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
池本 隆昭 埼玉医科大学, 医学部, 助手 (30275854)
|
Keywords | カルシウム / ダントロレン / リアノジン受容体 |
Research Abstract |
骨格筋型RyR(RyR1)は骨格筋細胞における細胞内貯蔵Ca^<2+>の生理的Ca^<2+>放出チャネルとして機能するが、一方ではCa^<2+>によるCa^<2+>放出(CICR)チャネルの性質をも有する。本研究は、この二つの開口様式が生きた細胞内でどのように調節されているのかを、ダントロレンおよびその誘導体のCa^<2+>放出への影響およびRyR1蛋白質への結合性を解析し、その分子レベルでの解明を目的とするものである。研究代表者は骨格筋の生理的Ca^<2+>放出をダントロレンと同様に強く抑制するものの、CICRに関してはダントロレンとは異なり抑制効果をほとんど発揮しない誘導体を見出した。また、やはりCICRを抑制しないものの生理的Ca^<2+>放出のみを強く抑制する誘導体を多数発見し、その中でダントロレンのCICR抑制作用と拮抗する誘導体をも見出した(投稿中)。さらに、これらのこれらの生理的Ca^<2+>放出を特異的に抑制する誘導体が、骨格筋において特異なCa^<2+>放出を引き起こすClofibric acid(投稿中)の作用を強く抑制することをも見出している。一方、その構造中にヨウ素およびアジド基を含む誘導体を用いた光親和性標識実験においては、筋小胞体上のRyR1とは異なる低分子蛋白質とともに膜画分ではなく可溶性画分にも特異的結合を示す蛋白質の存在を確認した。予備的実験では、ダントロレン誘導体によって標識される可溶性分子が、ある条件下でRyR1と結合している可能性が示唆されている。これらの実験結果をもとに、筋小胞体上に存在する分子および可溶性画分に存在する分子のRyR1との機能的連関についてさらに解析を進めていく計画である。
|
-
[Publications] Endo,M.& Ikemoto,T.: "Handbook of Experimental Pharmacology. 147.Pharmacology of lonic Channel Function : Activators and Inhibitors."Endo,M.;Kurachi,Y;Mishina,M.,Eds.Springer-Verlag.. 581-601(20) (2000)