2000 Fiscal Year Annual Research Report
GABA受容体におけるニューロアクティブステロイドの作用部位の同定
Project/Area Number |
12770052
|
Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
上野 晋 産業医科大学, 医学部, 助手 (00279324)
|
Keywords | ニューロアクティブステロイド / GABA受容体 / グリシン受容体 / アフリカツメガエル卵母細胞 |
Research Abstract |
細胞膜に存在する神経伝達物質受容体に作用して神経の興奮性を変化させるステロイドホルモンをneuroactive steroid(以下NSと略)と呼び、NSが作用する神経伝達物質受容体の一つにGABA(γ-アミノ酪酸)受容体があるが、その作用部位については未だ明らかではない。本年度研究ではNSの一つ、5α-THDOC(allotetrahydrodeoxycorticosterone)を用い、GABA受容体におけるNSの作用部位を同定することを試みた。ヒト野生型GABAp1受容体あるいはヒト野生型グリシンα1受容体サブユニットcDNAをアフリカツメガエル卵母細胞に注射し、二電極膜電位固定法によりアゴニスト誘発電流に対する5α-THDOC(20μM)の効果を調べた。最大反応の5〜10%の反応に対してGABAp1受容体では5α-THDOCにより約160%の増強が認められた。一方、グリシンα1受容体では約60%の増強と、5α-THDOCに対する感受性の違いが認められた。そこでこれら両受容体サブユニットにより構築されたキメラ体について5α-THDOCの効果を検討した。N末端より膜貫通領域の3番目(TM3)までの部分がグリシン受容体α1サブユニット、TM3〜C末端までがGABA受容体p1サブユニットで構築されたキメラ体C1では5α-THDOCにより約170%の増強が認められた。一方C1と対称的なキメラ体C2では約37%しか増強が認められなかった。N末端〜TM2までがGABA受容体p1サブユニット、TM2〜C末端までがグリシン受容体α1サブユニットであるキメラ体C5においても約23%しか増強作用を認めなかった。このことから、GABA受容体p1サブユニット上に5α-THDOCの作用に必須な特異的領域が存在し、それはp1サブユニットのTM3〜C末端の間に存在することが示唆された。
|
Research Products
(1 results)