2000 Fiscal Year Annual Research Report
リンパ球の遺伝情報変換過程におけるDNAポリメレースβの機能解析
Project/Area Number |
12770056
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
菅井 学 京都大学, 遺伝子実験施設, 助手 (90303891)
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Keywords | DNA組み替え / リンパ球 / DNAポリメレースβ / VDJ組み換え / クラススイッチ組み換え / 体細胞突然変異 |
Research Abstract |
DNAの組み換え・修復は、リンパ球の分化に特徴的かつ重要な過程である。抗原に対する多様性の獲得に、VDJ組み換えが必須であり、B細胞はその上class switch、somatic hypermutationにも、DNAの組み換え・修復を必要とする。これらの過程にはDNA合成が必要である。一方DNA polymerase βはin vitroの実験からBERに必要なDNA合成酵素として知られており、またNER損傷部位や塩基欠落部位でのTLS活性も検出されている。DNA組み換えへの関与は、減数分裂時の発現と局在からその関与が示唆されているが、In vivoでの機能はいまだ明らかでない。そこで本研究では、DNA組み換え・修復・変異導入への関わりが想定される、DNA polymerase βの役割を、リンパ球の各分化段階ごとに詳細に検討することにより、VDJ組み換え、class switch組み換え、somatic hypermutationの分子機構にせまることを目的とする。まず我々は、TCRβ鎖を解析した。我々はDNA polymerase βノックアウトマウスの胎生18日胸線よりRNAを抽出し、T細胞抗原受容体β鎖をRT-PCR法により増幅し、クローニングした。各クローンの塩基配列決定後、V,D,Jそれぞれの再結合部位における塩基挿入や欠失(P-挿入、N-挿入、欠失それぞれの頻度、挿入または欠失塩基数)を同腹の野生型もしくは、ヘテロの個体から得たクローンと比較し、polβの関与を検討した。その結果polβはP-挿入に必須の因子ではないことが明らかになった。この過程に必要なDNA合成酵素は複数存在するか、他の因子が関わっていることが示唆された。RAG2欠失マウスで再構成したpolβ欠失リンパ球の解析は現在進行中である。
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Research Products
(1 results)