2000 Fiscal Year Annual Research Report
ブタ腎臓上皮細胞の細胞内cAMP濃度を上昇させる新規生理活性ペプチドの解析
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12770068
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Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
片渕 剛 国立循環器病センター研究所, 研究機器管理室, 室員 (50300976)
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Keywords | cAMP / CGRP / カルシトニン |
Research Abstract |
本年度は当初、今までの研究で得られた新規生理活性ペプチドのヒト及びマウスにおけるクローンを同定する予定であった。ところがヒトあるいはマウスの脳や甲状腺、遺伝子のライブラリーをスクリーニングを試みてみたものの、CGRP-I、CGRP-IIあるいは有意の相同性を持たない塩基配列を持つクローンのみしか得られなかった。またインターネット上で公開されているESTやヒトゲノムデータベースに対して検索を行っても同様の結果しか得られなかった。しかしながらヒト及びマウスのライブラリーのスクリーニングを行うのと同時に行ったブタの遺伝子ライブラリーのスクリーニングにおいて、ブタCGRPや新規ペプチドとは異なる新しい塩基配列を持つ2種類のクローンを得ることができた。これらのクローンのエクソンと考えられる部分を翻訳してそのアミノ酸配列をCGRP及びカルシトニンと比較してみると一方のクローンはCGRPに相同性を持つ配列のみを、またもう一方の配列はCGRP及びカルシトニンに相同性を持つ配列を同一遺伝子上に持っていた。次に実際の遺伝子発現を調べるためにイントロンを挟む形でプライマーを作成し、種々の組織でRT-PCRを行ったところ、CGRPに相同性を持つものに関してはスプライシングを受けた形でPCR産物が得られたが、カルシトニンに相同性を持つ部分では産物が確認されなかった。またORFに相当する部分をRT-PCRで増幅してこれをプローブにしてノーザン解析を行ったところ、CGRP様の部分は中枢と甲状腺に発現している事が分かった。以上のことから、少なくともCGRP様の遺伝子はこれらの組織に発現し、何らかの機能を果たしていると考えられる。今後はCGRP、カルシトニン受容体との相互作用の解析を中心に行い、このペプチドの作用を明らかにしていきたい。
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Research Products
(1 results)