2001 Fiscal Year Annual Research Report
癌細胞運動とマトリックスメタロプロテアーゼ活性発現調節機構の解明
Project/Area Number |
12770071
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
滝野 隆久 金沢大学, がん研究所, 助手 (40322119)
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Keywords | 細胞運動 / MMP / 浸潤 |
Research Abstract |
癌抑制遺伝子PTEN(phosphaatase aand tensin homologue deleted on chromosome10)は悪性腫瘍の悪制度と相関して変異・欠質が認められる。PTENの活性は細胞膜への移行およびPTENタンパクの安定性により制御されていると考えられる。このPTEN活性の制御にはそのカルボキシル末端が重要な役割を担っており、PTEN活性の制御機構を解明するためにPTENのカルボキシル末端をバイトにしてYeast Two-Hybrid法にてスクリーニングを行った。 (結果)既知の4回膜貫通型分子とアクチン結合分子が同定された。培養細胞を用いた過剰発現系にて4回膜貫通型分子、アクチン結合分子とPTENの結合が免疫沈降法により確認された。この4回膜貫通型分子はC-末端の細胞内ドメインを介してPTENと結合することがわかった。また、アクチン結合分子はアクチン結合部位とは異なる部位でPTENと結合することがわかった。PTENのPI3-K/Akt経路抑制作用に対する4回膜貫通型分子ととアクチン結合分子の効果を抗リン酸化Akt抗体によるウエスタンプロッティングにて検討した。その結果、PTENによるAktのリン酸化抑制は4回膜貫通型分子と共発現することで増強された。 (考察) インテグリン/FAK経路は細胞増殖、細胞分化、細胞運動を制御していおり、癌細胞浸潤機構解明の鍵であると考えられる。PTENはこのFAKの397番目チロシンを直接脱リン酸化することでFAKの活性を抑制し、PIP3を脱リン酸化することでも細胞運動を抑制する。最近、PTENのカルボキシル末端は膜への移行と安定性を制御していることが明らかになり、PTENのカルボキシル末端結合タンパクがPTENの活性を制御していると考えられる。今回PTEN結合分子として同定された4回膜貫通型分子はインテグリンと結合し細胞運動を制御していること、アクチン結合分子は細胞骨格形成に関与していることが報告されている。これらの経路にPTENがどの様に関与しているのか、FAKのリン酸化、MMPの活性発現に関与しているのかを今後検討する予定である。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] D.Kita: "Expression of dominant negative form of Ets-1 suppresses fibronectin-stimulated cell adhesion and migration through down-regulation of integrin α5 expression in U251 glioma cell line"Cancer Research. 61. 7985-7991 (2001)
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[Publications] N.Nakada: "Suppression of membrane-type 1 matrix metalloproteinase (MMP)-mediated MMP-2 activation and tumor invasion by testican 3 and its splicing variant gene product, N-Tes"Cancer Research. 61. 8896-8902 (2001)
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[Publications] H.Miyamori: "Claudin promotes activation of pro-matrix metalloproteinase-2 mediated by membrane-type matrix metalloproteinases"J. Biol. Chem.. 276. 28204-28211 (2001)
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[Publications] Y.Yoneruma: "Membrane-type 1 matrix metalloproteinase enhances lymph node metastasis of gastric cancer"Clin. Exp. Metastasis. 18. 321-327 (2000)