2000 Fiscal Year Annual Research Report
発生過程におけるRorファミリー受容体型チロシンキナーゼの機能解析
Project/Area Number |
12770073
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
大石 勲 神戸大学, 医学部, 助手 (50314472)
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Keywords | 受容体 / チロシンキナーゼ / Ror1 / Ror2 / ノックアウトマウス / 骨軟骨形成 / 形態形成 / シグナル伝達 |
Research Abstract |
Rorファミリー受容体型チロシンキナーゼは互いに構造の類似した2つのメンバー(Ror1,Ror2)から成り、骨軟骨形成過程を始めとした形態形成過程において必須の役割を担う分子である。今年度我々は発生過程におけるRor1,Ror2の機能に関して分子レベル並びに個体レベルにおける解析を行った。分子レベルでの機能解析としては、主にyeast two-hybrid法を用いてRor1,Ror2の細胞内領域と物理的に会合する分子の探索を行った。その結果、Filamin,Cofilinのようなactin結合タンパク質、α,β-tubulinといった細胞骨格系のタンパク質、さらにはカゼインキナーゼIε等の分子を同定している。最近特にこれら分子の中でも、カゼインキナーゼIεがRor1,Ror2タンパク質の安定化やリン酸化等に関与する事を示唆する知見を培養細胞を用いた解析から得ており、両者が機能共役することが強く期待される。個体レベルでの機能解析としてはRor1,Ror2両遺伝子欠損マウスを作成し新生児の形態解析を行った。その結果、Ror2遺伝子欠損マウスで認められた四肢長管骨の短縮化や椎骨、肋骨の形成異常といった付属肢並びに中軸骨格系での異常がRor1,Ror2両遺伝子欠損マウスにおいてより重篤になる一方で、胸骨の欠損や恥骨の癒合、更には心臓における大血管の転位等の新たな異常が見出され、これらの異常がRor1,Ror2遺伝子欠損の相互作用に起因する事が強く示唆された
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Research Products
(1 results)