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2001 Fiscal Year Annual Research Report

潰瘍性大腸炎関連腫瘍の発生と進展におけるアポトーシス抑制蛋白サバイビンの役割

Research Project

Project/Area Number 12770097
Research InstitutionKitasato University

Principal Investigator

三上 哲夫  北里大学, 医学部, 講師 (90286352)

Keywords潰瘍性大腸炎 / 異形成 / 癌 / アポトーシス / survivin(サバイビン) / Ki-67 / Bcl-2
Research Abstract

[はじめに]潰瘍性大腸炎関連腫瘍(異形成、癌)の発癌経路は通常の大腸発癌経路とは異なると、近年提唱されている。そこで潰瘍性大腸炎関連腫瘍における細胞増殖、アポトーシスと、アポトーシス抑制蛋白のsurvivin(サバイビン)とBcl-2の発現を調べた。
[方法]潰瘍性大腸炎の症例から、22例の軽度異形成、25例の高度異形成、13例の腺癌の病変を対象とした。細胞増殖はKi-67の免疫染色、アポトーシスはnick end labelingと単鎖DNA免疫染色の2方法で検索した。survivinとBcl-2は免疫染色で発現を調べた。対照として、潰瘍性大腸炎と関係のない21例の軽度から中等度異型腺腫、22例の高度異型腺腫、21例の腺癌を用いた。
[結果と考察]潰瘍性大腸炎関連軽度異形成では、正常の腺管と同様にBcl-2とKi-67陽性細胞は陰窩の下半分に分布していた。しかし、腺腫においては、Ki-67陽性細胞は陰窩の上半分に分布しており、Bcl-2もびまん性の分布を示していた。潰瘍性大腸炎関連軽度異形成と軽度から中等度異型腺腫、潰瘍性大腸炎関連高度異形成と高度異型腺腫の間にはアポトーシスの明らかな差違は見られなかった。それに対して、潰瘍性大腸炎関連腺癌では、通常の腺癌と比べて有意にアポトーシスが減少しており、survivinの発現が強かったが、Bcl-2には差は見られなかった。潰瘍性大腸炎関連大腸癌では通常の癌と比べてアポトーシスが減少しており、これにはsurvivinの発現が関与している。それに対して、早期病変である軽度異形成では、Bcl-2によるアポトーシス制御が残存しているが、通常の腺腫では消失している。これらの違いは、潰瘍性大腸炎関連の腫瘍発生経路が通常の大腸発癌と異なっており、その生物学的振る舞いにも影響を与えていると考えられた。

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Published: 2003-04-03   Modified: 2016-04-21  

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