2000 Fiscal Year Annual Research Report
マウスにおけるリーシュマニア感染防御に果たすケモカインの役割の研究
Project/Area Number |
12770126
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
濱野 真二郎 九州大学, 大学院・医学研究院, 助手 (70294915)
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Keywords | リーシュマニア症 / Leishmania major / ケモカイン / Th1・Th2 / IL-4 |
Research Abstract |
リーシュマニア症は広く世界に蔓延している疾患であり社会経済的に重要な問題となっている。また同症の病原体の一つであるLeishmania majorを用いた感染実験はTh1・Th2タイプの免疫応答を解析する上で非常に有用なモデルである。大量(1x10^5以上)のL.majorに感染した際、感受性であるBALB/cマウスはTh2タイプの免疫応答(液性免疫、IL-4を産生)を示し最終的に死に至る。一方、少量(1x10^3以下)のL.majorに感染したBALB/cマウスはTh1タイプの免疫応答を示して一次感染を乗り切り、更に二次感染に対する防御免疫を獲得することが明らかとなった(Hamano et al.,1998)。次いで、L.major少量感染時に防御免疫が獲得される過程を解析する目的で、少量および大量感染マウスの間で免疫応答を比較をした。すると少量感染マウスの局所リンパ節では、大量感染時に認められるCD62L+CD4+T細胞(IL-4産生細胞)の集積が欠けており、早期IL-4の発現も認められなかった(Hamano et al.,1998)。上記結果から、L.major少量および大量感染時に質的に異なる免疫応答(Th1 or Th2)が誘導される原因として、CD62L+CD4+T細胞(IL-4産生細胞)の集積に関わるようなケモカインの量的・質的差異を考えている。 今回L.major少量及び大量感染マウスの所属リンパ節において、各種ケモカイン(MCP1-4,MIP-1α,MIP-1β,MIP-3α,SLC,TARC,IP-10,MIG,など)の発現を経時的に解析した。大量感染マウスの所属リンパ節では上記サイトカインが感染早期より高発現していたのに対して、少量感染マウスでは感染早期での発現は低レベルだった。また、少量感染マウスでは感染後経時的に上記サイトカインの一部に発現増強が認められた。今後、大量感染マウスで強く発現するケモカインに着目して解析を深める。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Hamano,S.,Horio,M.,Miura,S.,Higo,H.,Iihoshi,N.,Noda,K,Tada,I.,Takeuchi,T.: "Detection of kinetoplast DNA of Trypanosoma cruzi from dried feces of triatomine bugs by PCR."Parasitology International. (In press). (2001)
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[Publications] Hiyama K.,Hamano S.,Nakamura T.,Nomoto K.,Tada I: "IL-4 reduces resistance of mice to Trypanosoma cruzi infection."Parasitology Research. (In press). (2001)