2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12770172
|
Research Institution | National Institute of Infectious Diseases |
Principal Investigator |
高橋 宜聖 国立感染症研究所, 免疫部, 研究員 (60311403)
|
Keywords | 記憶B細胞 / 胚中心 / サブトラクティブハイブリダイゼーション |
Research Abstract |
記憶B細胞の産生と維持を制御する分子を同定するため、我々が開発した新しい純化・精製技術により記憶B細胞を分離し、記憶B細胞で発現量が増加する分子の単離を試みた。記憶B細胞由来のcDNAをテスターとし、胚中心B細胞と抗原未感作B細胞由来のcDNAをドライバーとして、サブトラクティブハイブリダイゼーションを行い、記憶B細胞で発現量が増加する遺伝子を濃縮した、濃縮した遺伝子をスポットしたマクロアレイを作製し、記憶B細胞、胚中心B細胞、抗原未感作B細胞由来のcDNAをプローブとしたディフェレンシャルハイブリダイゼーションを行い、記憶B細胞で発現量が増加する遺伝子を検索した。およそ5000個の遺伝子を検索した結果、記憶B細胞で発現量が増加する遺伝子として8個の遺伝子(ES52、ES90、ES99、ES921、ES1601、ES3023、ES3940S、ES4144)を同定することに成功した。 ES52は脳に強く発現し、リンパ組織では発現量の低い遺伝子である。我々はES52の染色体構造に関する情報を既に得ており、エクソンの一部をloxPで挟んだマウス(ES52/loxPマウス)を現在準備中である。最終的に、B細胞選択的に機能するCD19プロモーターの下流にCre組み換え酵素を導入したマウス(CD19-Creマウス)とES52/loxPマウスを交配させ、B細胞選択的にES52を欠損したマウスを作製し、ES52が記憶B細胞の産生・維持に果たす機能的役割を明らかにする予定である。 ES3023、ES3940Sは、そのアミノ酸配列上のモチーフから、アポトーシス制御に関与する可能性が推察される。この2つの分子に関しては、現在抗体の作製と染色体構造の解析を行っている。
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] Shimoda, M., et al.: "Isotype-specific selection of high affinity memory B cells in nasal-associated lymphoid tissue"J.Exp.Med.. 194. 1597-1608 (2001)
-
[Publications] 高橋 宜聖: "臨床免疫"科学評論社. 5 (2002)
-
[Publications] 高橋 宜聖: "Annual Reviews免疫"中外医学社. 7 (2001)