2001 Fiscal Year Annual Research Report
労働者7,000人を対象とした、高血圧及び肥満に関する遺伝子多型のリスクの調査
Project/Area Number |
12770175
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
諏訪園 靖 千葉大学, 大学院・医学研究院, 助手 (90302546)
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Keywords | 遺伝子多型 / 高血圧 / 肥満 / 労働者 / G蛋白β3サブユニット / 11β-ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ / セロトニン5-HT2受容体 |
Research Abstract |
本研究の目的は労働者の血液からDNAを抽出して、高血圧、肥満と関連するといわれている遺伝子多型を分析し、多変量解析を用いて他の要因を考慮し、これらの遺伝子多型の疾病への影響を調査することである。今後、予防医学的な遺伝子多型の活用のためには、大規模集団を用いたケース・コントロール研究が必須であるが、インフォームドコンセントの問題もあり、対象者の確保が非常に困難である。本研究での対象は、今後の追跡調査が可能であり、また他の遺伝子多型を調査する場合においても貴重な研究資源になると思われる。本年度の実績として、前年度に入力した、対象者の年齢、既往歴、家族歴、身体計測値、血圧測定値、および尿、血液の測定結果等のデータを結合し、その正確性を検証し高めたことである。集まった対象者は、男3834人、女2591人で、男女の平均年齢は、それぞれ、38.2歳、38.6歳、BMIは22.8kg/m^2、22.0kg/m^2、収縮期血圧が123.1mmHg、115.6mmHg、拡張期血圧が74.3mmHg、69.8mmHgであった。高血圧者は、収縮期血圧140mmHg以上または拡張期血圧90mmHg以上とすると男で589人(15.4%)女で176人(6.8%)であった。肥満者はBMI25kg/m^2以上とすると男で782人(20.4%)、女で386人(15.6%)であった。調査する多型については近年の調査結果をふまえ、最近関連が報告されているG蛋白β3サブユニット(C825T)、セロトニン5-HT2受容体(T102C)、11β-ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ(G534A)を検索することとした。次に高血圧、肥満に影響する他の要因を含めて遺伝子多型の影響を明らかにするための統計モデルを考案し、このモデルが遺伝子多型の影響を明らかにする上で有用であることを確認し、研究を次の段階に進めている。
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